2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K02065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (40388723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 淳 関西学院大学, 社会学部, 教授 (40411772)
清水 裕士 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60621604)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数理社会学 / ベイズ統計モデル / 所得満足度 / プロスペクト理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の浜田は微分方程式をベースとするベイズ統計モデルの有効性を検討した.具体的には新型コロナウイルス感染症拡大下での人々の外出自粛行動の推移を説明する微分方程式モデルを定式化した.約8000万台の携帯電話の位置情報から算出した都道府県別外出自粛率で検証したところ,自粛要請量が2020年2月後半と3月後半に増加する微分方程式モデルのフィットが状態空間モデルと同程度によいことが判明した.また微分方程式を状態空間モデルの状態方程式として表現することで,陽表的な解を特定できない微分方程式モデルのパラメータをベイズ統計モデルで推定する方法を検討した. 分担者の石田は所得評価の他者比較モデルの精緻化に取り組んだ.客観分布ではなくバイアスのある分布からの他者との出会いによって評価が形成されるメカニズムを一般的に表現するモデルを考案し,経験的データからバイアスのある分布を推定する枠組みを構築した.今後は,SSPデータなど社会調査データを用いた分析を進める. 分担者の清水はプロスペクト理論における新しい確率荷重関数を提案した。これまで提案されてきた確率荷重関数が、心理学的なメカニズム抜きに提案されていた。それに対し本研究では認知心理学におけるDecision by Sampling理論を数理的に解釈することで、ベータ分布の累積分布関数として確率荷重関数を導けることを示した。また、実データに基づく統計モデリングの結果、従来の提案モデルとほぼ同程度の予測力を持つことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りモデル構築,分析用データの準備,データによるモデルの検討を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
出張は困難だと考えられるのでオンラインの研究会で,メンバー間での研究進捗を確認する
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Causes of Carryover |
研究会用として国内旅費27万円を予定していたが,covid-19の影響で出張が出来なかった.次年度も出張旅費が予定通り支出でききないと予想されるため,研究に必要な人件費と物品に割り当てる.
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Research Products
(3 results)