2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K02076
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
片岡 佳美 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80335546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吹野 卓 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (70228873)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 島根県 / 移住・定住 / 中山間地域 / 高校生 / 日系ブラジル人 / 家族実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
①島根県中山間地域の県立Y高校の生徒を対象にした調査 1)インタビュー調査(周辺地域出身者6人,県外出身者2人) 周辺地域出身の生徒たちはそれぞれ,将来都会で暮らしていくのではなく,今住んでいる地域かその周辺に暮らしたいと述べた。「この地域は知っているから安心」「都会は知らないから怖い」というのがその理由であった。こうした「知っている」ことへのこだわりは,かれらの親たちにも強くあることが分かった。一方,県外からこの高校に「しまね留学」で進学した都会出身の生徒は,高校卒業後に島根県中山間地域に残ることは考えていないと語った。かれらの県外移住は,親たちも一時的なものとして捉えていた。これらの親たちはわが子に「知らない世界を見る」ことを期待し,地方に送り出していた。地方と都会の親や子の意識の,こうした違いは,若年層の人口移動と家族実践の関係についての新しい議論につながるものとして注目している。 2)アンケート調査(1~3年の全生徒257人対象 244件回収) 親が自分に将来もこの地域に残ってほしがっていると思っている周辺地域出身の生徒では,10年後この地域にいると思うという回答は37%,20年度この地域にいると思うという回答は54%,50年後この地域にいると思うという回答は78%となったのに対し,親が自分にこの地域に残ってほしがっていないと思う周辺地域出身の生徒では,それらの割合が順に0%,11%,33%と大きく差が見られた。 ②島根県に家族で移住した日系ブラジル人へのインタビュー調査 ブラジル人の妻と子ども2人と共に,縁もゆかりもない島根県に移住した日系ブラジル人男性への深層インタビューを通して,移住し定着していく過程で家族が行なってきたことを探った。家族が,共通の信念や習慣・ルールによって強く結びつきながら,外国人として暮らす上で経験するさまざまな困難を克服していく様子がうかがえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に実施予定だったがコロナの影響で延期していた高校生への調査が実施できた。日系ブラジル人家族への調査も対面で実施することができた。シンポジウムも,無観客(オンライン配信)であったが開催し,ここまでの研究成果について報告できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の調査結果について詳細な分析を行ない,発表していく。また,日系ブラジル人等,島根県に移住した外国人家族についての調査を引き続き行なっていく。 研究成果を報告書やシンポジウムを通して,一般にも広く公表していく。 2022年度は最終年度であるため,研究の総括を行なう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,インタビュー調査の時期を遅らせたり規模を縮小したりしなければならなかった。その結果,使用額が予定より少なくなった。繰り越し分は,2022年度に実施する調査や,成果発表のためのシンポジウムの開催のために使う。
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Research Products
(2 results)