2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K02084
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
つる 理恵子 専修大学, 人間科学部, 教授 (20227474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 現代の小農 / 生業(なりわい) / 仕事の組み合わせ / 持続可能性 / 定常型経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍による影響で、「現代の小農」たちへの対面での聞き取り等は、実施できなかった。代わりに小農学会主催のセミナー(オンライン開催)に複数回参加し、情報収集に努めた。小農に関心を寄せ、自身もそうした生き方を希望する都市生活者たちの声も聞くことができた。 小農たち自身の手による著書・刊行物、小農を取り上げた新聞記事等の収集・読み込みを行った。 所属する学会(有機農業学会、日本村落研究学会、日本社会学会)に出席し、情報収集に努めた。有機農業学会では2020年度、2回にわたり報告の機会を得、それを活字にしたものが各1本、2021年度の学会誌(『有機農業研究』)に掲載された。農業の近代化およびそれを学問的に支えてきた農学研究の流れを根底から問い直す論考としてまとめた。現代の小農および家族農業評価の学問的意義を述べた。 これまでに明らかにできたことは、以下の通りである。 農業の近代化政策の行き詰まりはコロナ禍においていっそう顕在化してきている。研究実施において大きなダメージを受けているが、一方で社会全体においては「現代の小農」への着目・評価が高まっていることは明らかである。さらに、SDGsや地球規模での気候変動への危機感等も追い風となっている。この2~3年での変化は極めてめまぐるしい。農水省も「みどりの食料システム戦略」を2021年3月に発表したことにも期待が高まっている。そうした中、1970年頃から徒手空拳、独立独歩で近代農業とは異なる農のあり方を実践してきた「現代の小農」第一世代は、80代となった。多数派にはなりえていないが、その後に続く世代が育っていることは大きな希望として、関心を持つ人々の間で受け止められている。社会が大きく根底から変わっていく予感があるように思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により現地調査が実施できていないことが大きく響いている。代替方法として、オンラインでの情報収集に努めてきたが、やはり制約はある。2022年度でできるだけフィールドワークを行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り、現地調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、現地調査ができなかったこと、学会や研究会も全てオンライン開催となったことにより、旅費交通費の使用がなかったため。 2022年度は現地調査を可能な範囲で行う。学会・研究会への参加および報告も行う予定である。
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