2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K02084
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| Research Institution | Senshu University |
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Principal Investigator |
つる 理恵子 専修大学, 人間科学部, 教授 (20227474)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 小農 / 集合知 / 越境者 / 農山村イノベーション / 信頼貯金 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、小農学会のメーリングリスト上で交わされる意見や情報の収集・分析、ほぼ毎月1回Zoomで開催される小農学会セミナーに出席し、情報収集および意見交換などを重ねた。また、小農学会の共同代表の1人、農民作家の山下惣一さんが2022年6月に亡くなったことを受け。小農学会とアジア農民ネットワークの2団体が中心となり、福岡と東京で、それぞれ「山下惣一さんを偲ぶ会」が開催された。どちらにも参加し、参与観察を行った。偲ぶ会の内容および参加者の顔ぶれからは、改めて山下惣一さんの思想・実践の内容と人々に与えた多大な影響がうかがえた。
地域おこし協力隊員の動機が、全て小農を目指すことにあるわけではないが、当初から農的な暮らしに関心を持つ人、隊員としての活動を通して次第に任地での人々の暮らしに惹かれていく人は多い。2022年度西日本社会学会大会にて、「『越境』する人々と『信頼貯金』―地域おこし協力隊 OBOG たちの語りから―」というタイトルで報告をした。「地域おこし協力隊」OBOG の語りから移住に伴う自己のアイデンティティ変容や定住に向かうプロセスを捉えることを通して、移住者と地元住民間の相互作用の中で、今、ここ（農山漁村）で自分（たち）が暮らす意味をどのように捉え返し、地域を維持・創造する動きが始まっているかを明らかにした。キーワードは、「越境者」と「信頼貯金」である。
また、越境者と受け入れ側の双方がさまざまな変化を経験する、一種の文化変容が起きている。その際、受け入れ側のキーパーソンとして、小農たちの存在が大きいことも分ってきた。
現代の農山村研究にとどまらず、都市も含めた現代社会研究における小農たちが果たす役割の重要性が増している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の中、これまで申請者が面識のなかった方々を新規に訪ねてお話をうかがうことは、依然として制約が大きかった。そのため、共通の知人・友人を介して、紹介していただく等、調査の計画・実施に思いのほか時間を要した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、22年度に既に紹介いただいた伝手を頼りに、フィールドワークを進めていく。それと同時に、小農たちを紹介した新聞記事、小農自身が記したレポート、書籍、ブログ、ホームページ等の情報も引き続き収集・閲覧し、インタビューや参与観察を支えるように努める。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、フィールドワークが十分に行えなかったこと、参加した学会や研究会がオンライン形式での開催であったため旅費交通費が不要であったことによる。
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