2022 Fiscal Year Research-status Report
Recovery from the Great East Japan Earthquake and Community
Project/Area Number |
19K02086
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
遠藤 薫 学習院大学, 法学部, 教授 (70252054)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 地政学的転換 / 水運 / 水産業 / 養蚕業 / 人口問題 / 野生動物 / 飼育動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
被災地域の個別自治体について、地政学的および産業史的調査を行った。被災地域は、歴史上、繰り返し、水害や津波の害に遭ってきたが、そのことは、この地域が、〈水〉の利用とともに生きてきたことと表裏の関係にある。現代にくらべて、川を用いた水運、海を移動する海運が大きな力を持っていた時代、東北地域は、関西地域とは相対的に独立した産業空間をもっていたが、同時に、今日から考えると意外なほど、相互の交流もあったと考えられる。 とくに重要だったのは、水産業、水運業、養蚕業であるが、その衰退とともに、「閉ざされた貧しい地域」のイメージが強まり、限界集落化の危機が囁かれている。 東日本大震災からの復興を考えるにあたっては、この悪循環を断ち切り、地政学的転換によって、新たな可能性を切り開く必要がある。 この視座から、(1)東北大震災被災地域における地方政権の歴史的探究、(2)東北大震災被災地域と他地域との交通、東北大震災被災地域の産業史、(4)歴史と現在との関係、(5)現代における東日本大震災および被災地の語られ方(テレビドキュメンタリーを中心に)、(6)東北大震災被災地域における人口縮小および高齢化の諸問題とその解決、(7)東北大震災被災地域における野生動物および飼育動物と人間との関係、などを分析・解明することにより、東北大震災被災地域のレジリエントな今後について、長期的ビジョンを構想する取り組みを行っている。 このような取り組みにおいては、特定の学問分野に留まらない「総合知」が必要とされるが、その適用にあたって基盤となるELSについても配慮する。I
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題の開始とともに、コロナ禍に見舞われ、現地でのフィールドワークが大幅に遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
遅れを取り戻し、当初の計画より、文献調査や、質問紙調査の重みが大きくなるが、それをメリットに変えて、成果につなげたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、現地でのフィールドワークができなかったため。
|