2019 Fiscal Year Research-status Report
Postwar Immigrant Japanese Women in the US and Their Transnational Families
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19K02087
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (90282904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジェンダー / 家族 / エスニシティ / 日系女性移民 / アメリカ / ソーシャル・キャピタル / エスニック・ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は主として以下の4つの作業を行った。 ①2019年8月10~13日にアメリカ合衆国ニューヨーク市で開催されたアメリカ社会学会第114回大会に参加した。現地では、エスニシティの社会学、ジェンダーの社会学、家族社会学、教育社会学に関する部会に参加し、これらの領域における最新の理論と調査研究についての情報収集を行った。また、同大会に付随して開催された、Section for International Migration, Section for Asia and Asian American, City University of New York Graduate School CenterおよびJapan Sociologist Netowork等が主催した研究交流会に参加し、米国および日本の社会学研究者、エスニシティ研究者とお互いの実施している研究についての情報交換を行った。 ②次の学会発表(口頭発表)を行った。:Yuko Nakanishi, 2019, "Gender Structure Which Causes Immigration: Postwar Immigrant Japanese Women and Gender Discrimination in Japan.", 114th American Sociological Association Annual Meeting, 8/12/2019, NYC, New York, U.S.A. ③学内紀要に次の論文を執筆した。:Yuko Nakanishi, 2019, "Ethnic Social Capital Works as Substitute Family Networks Among Postwar Immigrant Japanese Women in the US.", 『武蔵大学総合研究所紀要』第28号,pp.35-49. ④研究テーマに関連した国内外の先行研究・書籍を収集してその内容を確認するとともに、過去に行ったインタビューデータの再分析を行い、そこに現れる「家族言説」の構造を類型化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年8月に発表・参加したアメリカ社会学会では、例年以上に日米の研究者と有意義な研究交流を行うことができ、夏までは順調な進行状況であった。しかしながら、学内教務役職業務が例年以上に多忙となった上、3月以降の新型コロナ感染症拡大の余波もあり、2019年度に行う予定であった現地の日系教育機関やコミュニティの情報収集が遅れており、進行状況は予定よりやや遅れ始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、アメリカに渡航してのフィールドワーク、インタビュー、資料収集が重要であり、新型コロナ感染症の全世界的拡大に伴う2020年度以降のアメリカ入国制限の本研究の今後の推進に与える影響は大きい。 2020年度は、これまでの研究で構築した現地の日系社会のネットワークを活用し、遠隔会議システムなどを用いたインタビュー調査を試みるとともに、インターネット上で収集できる現地の日系教育機関や日系コミュニティの情報を収集する。同時に、過去に申請者が行った移住女性に対するインタビューデータの再分析もを行う。なお、American Community Survey, New Immigrant Survey等のアメリカ移民統計データの二次的分析は渡米ができなくても可能なため、これについては計画通り進める。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初の計画では、2019年度にアメリカ東海岸と西海岸において学会発表と調査を行う予定であったが、2019年度中の申請者の学内教務役職の予想以上の多忙化と2020年冬以降の新型コロナウィルスの流行に伴い、西海岸への渡航日程を確保することができなくなってしまった。そのため、当初予定より海外渡航費使用額が少なくなってしまった。 (使用計画) 2020年度の国際情勢にもよるが、渡米しての調査が再び可能になれば渡航費として使用する。渡米が不可能な状況が続く場合は、遠隔での調査を可能にするためのPC関連機材の確保や遠隔会議システムのユーザ権、あるいは日本国内で入手できる関連資料・図書の購入費用として活用することを計画している。
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Research Products
(2 results)