2021 Fiscal Year Research-status Report
Postwar Immigrant Japanese Women in the US and Their Transnational Families
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19K02087
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (90282904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際移住 / ジェンダー / 家族 / 日本語教育 / 日系ネットワーク / アメリカ / エスニック・コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は以下の研究活動を行った。 (1)武蔵大学特別研究員として2021年9月7日から2022年3月25日まで米国カリフォルニア大学バークレー校に客員研究員として所属していたが、派遣期間中、サンフランシスコ・ベイエリア地域での情報収集とフィールドワーク、人的ネットワークの構築に勤めた。 (2)2月中旬~3月上旬にかけて、サンフランシスコ・ベイエリア地域で現地に移住した子育て経験のある女性5名へのインタビュー調査を行った。当初は対面調査を希望したが、渡米機関がデルタ株とオミクロン株の流行時期と重なったため、zoomを用いたインタビューに切り替えて実施した。対象者からは①子どもへの日本語・日本文化伝達状況について、②現地の子育て環境や日本語学校利用状況について、③子育て時・関連情報収集時の日系コミュニティ・日系ネットワーク活用状況、④マクロな社会状況の変化、特にアメリカ社会における日本への評価、日本語がもたらす文化的価値の変容について聞き取りを行った。 (3)11月に日本社会学会第94回大会(zoomを用いたオンライン開催)において「アメリカ移住女性たちの就業戦略:エスニシティ、ジェンダー、学歴・資格の交差」をタイトルとする口頭発表を行った。同発表では、これまでサンフランシスコ・ベイエリア地域で実施したインタビューデータを再分析し、米国移住後の日本出身女性たちが、移住先での職業達成において、どのように自らが持つエスニシティ、ジェンダーおよび自らの学歴・資格を交差させながら就業戦略を練ってきたか、またその際に日本語・日系コミュニティという「日本資本」をどのように活用してきたかを報告した。 (4)論文3本(大学紀要論文1本、編著書収録論文2本)を執筆した。詳細は該当欄に記載する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス流行の影響が予想以上に長引き、2021年度前半に予定していた日本国内外での出張が不可能になってしまった。2021年度後半は武蔵大学特別研究員として、半年間調査フィールド地がある、カリフォルニア大学に派遣されていたものの、派遣期間中はデルタ株やオミクロン株の流行が続き、不要な外出や会合を避けざるを得ない状況であった。そのため、当初渡米後にアメリカ国内で計画していた米国内出張や、滞在地での日本語学校や日系機関でのフィールドワーク、対面でのインタビュー調査が不可能になってしまった。 渡米期間中、個人へのインタビューについては、一部zoomで依頼できる分については実施することができたが、予定通りの現地調査が実施できなかっため、研究進捗状況は遅れている。 なお、2022年度4月以降、調査地域は日常生活がかなり回復してきたと聞いている。2021年度までに遅れている調査については、2022年度に現地出張を行ったり、zoomやskype等の遠隔会議ツールなどを活用しながら実施し、遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新型コロナウィルスの流行状況をみつつ、夏季休暇や冬季・春季休暇期間などを活用して渡米し、アメリカでの日系機関での調査や移住者個人へのインタビュー調査や資料収集を実施する。場合によっては、日本からのzoomインタビューや、Googleフォームなどを利用したインターネット上の記述式調査などを代用して実施することも考えている。また、過去のインタビュー調査データや、これまで集めた資料の再分析、アメリカ移民統計データの二次的分析なども並行して行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウィルス流行の影響が長引き、当初2021年度前期に予定していた自身の国内外の出張が取りやめになってしまった。また、2021年度後期も、現地でのデルタ株とオミクロン株の流行が続き、アメリカ国内での移動や、フィールドワークや聞き取り調査を計画していた現地の日系の学校や諸機関への調査、および対面でのインタビューが不可能になってしまったため、旅費や調査協力謝金が発生せず、次年度使用額が生じてしまった。 (使用計画) 2022年度4月から、フィールド地ではマスク着用の撤廃や日常生活の回復が始まっていると聞いている。このため、2022年度は現地出張を実施したり、日米両国からの遠隔会議ツール活用のための機材等を整備したりしながら、遅延していた現地での調査や資料収集を実施する計画である。
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Research Products
(4 results)