2021 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本における性教育構築プロセスに関する歴史社会学的研究
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19K02092
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| Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
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Principal Investigator |
柳園 順子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 准教授 (20773831)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 純潔教育 / 性教育 / 中等学校保健計画実施要領（試案） / 養護教諭 / 学校 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
文部科学省は子供の現代的健康課題の一つに「性」に関する問題を挙げており、令和２年度には「性犯罪・性暴力対策の強化」の方針決定を踏まえ子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう「生命（いのち）の安全教育」を開始している。また、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」により関係省庁が連携し、各分野における不妊予防に向けた取組が取りまとめられ、令和3年度からは女性の健康に関する養護教諭の研修の充実を図るなど全国の学校等における体制や取組が強化されている。こうした課題解決には「歴史から現在（いま）をみる」視点が重要であり、性に関する教育について現在に至る道筋を明らかにする必要があると考える。
本研究は戦後日本で推進された「純潔教育」について学校文化で何を排除し摂取しながらその定着が試みられ、のちに「性教育」へと転換されたのか、性教育構築プロセスを解明することが目的である。令和3年度は前年度学会で報告した戦後の学校保健の動向に新たに資料を加え精査し、分析を行った。具体的には①1949年中等学校保健計画実施要領（試案）（成熟期への到達）作成過程について当時の関係者らの証言や史料等を基に占領下での政府の方針や学校現場の実情について分析したものを論文化した。また、②全国初の「純潔教育」手引書とされる『純潔教育系統案』を作成した鹿児島県教育や養護教諭の実情について調査を行い、分析した結果を論文化した（印刷中）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は前年度の学会報告を基に①について論文化の作業を行った。令和3年度４月に所属先の異動、前年度に引き続き新型コロナウィルス感染症拡大の影響による県を跨いだ調査の制限、各資料室の閉室（限定公開、予約制等の利用制限含む）、各研究会の中止等により、研究計画の一部に変更が余儀なくされた。新所属先の事情により県外異動がこれまで以上に制限されアメリカとの関連などを解明する上で必要な調査が十分にできず、予定していた性教育構築の系譜、プロダクト作成等までに至らなかった。関係事項の記載が予測される入手可能な文献の購入、また、鹿児島県関係資料等については鹿児島県立図書館、鹿児島県庁（県教職員課、県政情報室等）、鹿児島県教育センター資料室、鹿児島純心女子短期大学図書館郷土資料コーナー等で調査を行い、戦後から1960年代の鹿児島県教育や養護教諭の実情を整理するなど限られた条件下ではあったが、一定の成果を得ることは出来ている状況である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、調査が十分に出来なかったため、研究期間の延長を申請する。これまでの各調査の知見が有機的に関連付けられるよう可能な限り追加調査を行い、研究成果の充実を図った上で研究のまとめに入る。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症に伴う県外異動制限等により、予定していた県外への調査等が困難となり調査が在住する県内のみに限られたため、追加調査が必要であり研究期間の延長を申請する。今年度実施できなかった分について次年度に繰り越し、新たな調査や発表にかかる経費、データーの整理等を行う物品等の購入を行う。新型コロナウィルス感染症の動向により、追加調査や発表方法に変更等が生じた場合は、より費用が掛かる箇所に配分する。
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