2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on the re-categorization process of local third sector organizations by national infrastructure organizations
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19K02098
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 洋行 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (50282786)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サード・セクター / NPO / コミュニティ論 / 社会運動論 / 食支援 / こども食堂 / 地域社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始年度にあたり、理論枠組みの検討と予備的調査を中心に行った。 理論的枠組みの検討について、本年度は主に2つの方向から実施した。一つは、サード・セクター研究において十分に検討が進んでいない社会運動論の応用可能性の検討である。当該研究計画において当検討は、サード・セクターを、ローカルの諸団体・諸活動と相互作用しつつ影響を与える/影響を与えられる広域的で動的な「構造」として捉える視点の構築を目指す作業にあたる。この作業では、日本NPO学会第21回年次大会への参加ほかを通じた研究動向の把握、および国内外における近年の社会運動論の理論的検討を行った。この検討において、これまで国内での紹介がほとんど行われていないStrategic Action Fields理論に着目し、当理論についてサード・セクター研究への応用可能性と課題を把握した。理論的検討のもう一つは、サード・セクターを構成するローカルの諸団体・諸活動そのものをどのように捉えるかという点についての検討である。当該研究計画において当検討は、本研究における実証的研究の対象の一部である「こども食堂」のような、地縁組織やNPOなどのメンバーシップ型組織とは異なる特質を備える集団を捉える視点の構築を目指す作業にあたる。これについて、地域社会学会への参加ほかを通じた研究動向の把握、小集団論・コミュニティ論を中心とする理論的検討を行った。 予備的調査について、本研究で事例とする「食支援」セクターに関して、「食支援」セクターの起点となる配食サービスを中心とする「老人給食」活動の創成期に関わる文献資料の収集と、現在進行している「食支援」セクターの変容の一面として、「こども食堂」の動向に関わる情報収集を通じて、「食支援」セクターの通史的把握を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論研究が集中的に進んだ一方で、国内調査が充分に実施できず、海外調査が実施できなかったことが大きな理由である。それにあわせて収集資料の予備的分析が滞った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も一定期間において国内外における訪問調査の実施の困難も予想されるが、移動が可能となった時点で訪問調査を実施する。また、新型コロナウイルスに係る感染症対策の状況も見据えながら、訪問調査による資料収集から他の方法による資料収集への変更や、ローカルレベルの動向については事例とする対象の変更も検討する必要があると考える
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Causes of Carryover |
理論研究が集中的に進んだ一方で、国内調査が充分に実施できず、海外調査が実施できなかったことが大きな要因である。それにあわせて収集資料の分析に関わる費用の支出も行わなかった。 次年度も一定期間において国内外における訪問調査の実施の困難も予想されるが、移動が可能となった時点で訪問調査を実施するための調査旅費として用いる。また、新型コロナウイルスに係る感染症対策の状況も見据えながら、訪問調査によらない資料収集への変更や収集資料の対象の変更も検討する必要があると考える。
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