2021 Fiscal Year Research-status Report
女性琉球舞踊指導者のアメリカ社会におけるエイジェンシーの分析
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19K02106
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宜野座 綾乃 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 准教授 (20786545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沖縄ディアスポラ / ジェンダー / 琉球舞踊 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第二次世界大戦中あるいは米軍統治下の沖縄からアメリカに移民し、現在アメリカで琉球舞踊指導者として活動する四人の女性たちのライフヒストリーをたどり、異国で伝統芸能を継承する彼女たちの活動が、アメリカ社会における沖縄系移民のコミュニティ形成にどのような役割を果たしてきたかについて明らかにすることを目的とする。アメリカ社会における沖縄県人会は、日本とアメリカという二国家の境域を形成するディアスポラとして、琉球芸能を活動の中心として活発に継続している。なかでもこの四人の沖縄女性は、北米の琉球舞踊研究所の四流派の名取として、カリフォルニア州のロサンジェルスに本部を置き、琉球舞踊では全米の拠点となっている北米県人会という組織の中心的な存在となっている。本研究は、アメリカ社会におけるこのコミュニティの位置や様相、そして沖縄系コミュニティがアメリカ社会の変容に与える影響を明らかにしようとする分野横断型の着想であることから、沖縄「移民研究」の事例にとどまらず、「アメリカ研究」や「女性学」にも意義をもつ研究であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の世界的な終息が、世界的に拡大したため、引き続き渡米が制限され、本研究の核となる現地での調査が困難となり、インタビュー調査や、資料収集が遅れた。現地の研究者やコミュニティとオンライン会議ツールなどを用い意見交換を行なったが、望まれた構想通り支障がきたされた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症拡大に伴う、国内外の渡航制限により研究に遅れが生じているが、収束し次第、研究を迅速に進めたい。その間、引き続きオンラインでの情報収集を継続し、2次資料の収集と批評的理解を同時進行で行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症が継続して渡航を制限したため、現地での調査や資料収集が実施できなかった。終息を注視し、安全面において渡米が可能になり次第、渡米の旅費として主に使用したい。また、引き続き資料収集に伴う経費としても使用したい。
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