2019 Fiscal Year Research-status Report
Understanding wholistic health of Rohingya refugee women in Bangladesh: Perspective of medical pluralism
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19K02113
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
松山 章子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70404233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三砂 ちづる 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70342889)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロヒンギャ難民 / 多元的医療 / ジェンダーに基づく暴力と健康 / 安全でない中絶 / 早婚(児童婚) |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は本格的調査の事前準備として国内外の専門家、関係者への面談、メイル等によるコンタクトを通じてロヒンギャ難民に関する全般的情報を収集し、特に多元的医療に関わる幅広い分野の現状と、現在難民キャンプ等で実施されている活動の把握を行った。また、12月には約10日間バングラデシュ南東部、ロヒンギャ難民キャンプを訪問し、現地の状況を把握するために予備調査を実施した。今次調査は倫理委員会への研究計画書申請前の段階で実施されており、今後本格的調査の方向性を決めるためのものであった。 予備調査では、女性の健康に関わる活動の進捗状況を把握する中で、早婚(児童婚)、望まない妊娠、安全と保護、HIV/エイズ感染、ホストコミュニティの女性から見た難民との軋轢、などの問題点が明らかとなり、今後ジェンダーに基づく暴力と女性の健康、望まない妊娠と安全ではない中絶の状況をより詳細に把握する必要性と、そのような状況で女性たちが伝統的世界観及び健康観と近代医療への急激なアクセスとの狭間でどのような立場に置かれれているかを理解する必要があることが分かった。予備調査は、外部からの立ち入りが制限される難民キャンプでの調査ということで、短期間に保健医療サービスを提供する側とその利用者たちに焦点を当て情報収集を行った。そのため、サービスへアクセスがある人達の観点から状況をみており、利用できない人、したくない人などを含めて、保健医療サービスへアクセスしない人達の特徴、病いの経験、病気になった時の治療希求行動などに関しては未だ不明な点が多い。 今年に入り新型コロナ感染が世界的に流行している中、予定していた2,3月のフィールド調査は中止したため、今後の活動に関して明確な予定が立案できない現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年12月に実施した予備調査に基づいて本格的調査の計画をたて活動を推進する予定であったが、今年に入り世界的流行をみている新型コロナ感染症の影響で、フィールド調査を現時点では中断せざる得ない状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の状況を注意深く見ながら、今後の予定を立てたい。フィールド調査(海外渡航)が可能であるかどうかだけではなく、難民キャンプ視察、調査実施のためには現地で活動するNGOなどの協力が必須であるが、現在(あるいは長期的に)、国際協力NGOやその他関連機関が予算的、人員的にどれぐらい影響を受け活動自粛、減少、中止を余儀なくされているかなどによって本調査実施可能性も大きく影響を受けるため、先行きは不透明である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で2,3月に計画していた海外出張(フィールド調査)が実施できなかった。
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