2022 Fiscal Year Research-status Report
Sociological Research on Nikkey Language in Brazil
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19K02114
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
紀 葉子 東洋大学, 社会学部, 教授 (40246781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日系社会 / 言語資本 / 女性語 / 外来語 / 日本文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍における渡航制限によりブラジルにおける調査研究ができなかったため、実績を上げるどころか研究に着手することすら困難であった。渡航制限が緩和されることを期待して、現地調査が始まると必要になる機器備品の準備を進めること、仮説を精緻化するために文献史料を収集することに終始し、現地調査を行うことはできなかった。調査対象者が高齢であること、他者との対話のなかで不意に出てくる言葉遣いに重きをおいた調査であることから、webを用いての調査はなじまず、ただただ現地調査が可能になることを待ち続けるしかなかった。 ただ、同じく研究を進めたくとも進められないサンパウロ大学日本語学科のスタッフとの交流を深化させることができたことは唯一の実績といって良いだろう。お互いに対面での研究交流は難しくとも、電子メール等の媒体を用いることによって、実査の際の協力体制を含む具体的な調査計画の概要について情報交換を進めることができているので、実際の調査を進めること、調査結果のレビューを得ることは容易になっていると言える。 「女性語」が対話状況で用いられるのはもっぱら文化的な集まり、特に、踊りや歌のサークル活動に限られ、送出国である日本の現状と同様に使用者が少なくなっていることの検証と、日本語新聞の廃刊が相継ぎ、日本のニュースの多くを衛星放送やインターネットの動画サイトに頼ることが多くなった今、使用される外来語にどのような変化が見られるのかを現地での調査研究を通して明らかにする見通しが立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で現地調査ができなかったことに尽きる。しかしながら、ブラジルにおける感染状況も落ち着きを見せ、また、日本においても5月の連休以降には緩和される見込みが立っていることから、ようやく時計の針が動き始めた状況であり、今年度には遅れを取り戻し、当初計画にあるような研究成果をあげるように努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
8月の後半から9月にかけて現地調査を行い、その結果を受けて仮説検証を行う。2月に再び渡伯し、サンパウロ大学日本語学科のスタッフからレビューを受け、調査結果を関連学会で報告後、ペーパーにまとめて公表することとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のグローバルな広がりを受け、渡航制限等により、現地調査が不可能になってしまったためであり、多くの予算を割り振っていた渡航費用の使用ができなかったことに尽きる。 渡航制限が解除され次第、現地調査を8月に、また、8月の調査結果を受けての補足調査ならびにレビューを受ける機会を2月に設け、3年分の遅れを1年間で取り戻せるようにしてゆきたい。また、8月の後半にリオデジャネイロ州で日本文化研究学会(XIV Congresso Internacional de Estudos Japoneses no Brasil / XXVII Encontro Nacional de Professores Universitários de Língua, Literatura e Cultura Japonesa)が開催されるが、仮説段階であるため研究報告自体は難しいと思われるため、ブラジルの研究者との交流を図る機会としたい。そのため、現地調査も8月後半から9月の初旬のサンパウロ熟年連合会のイベントで執り行うこととする。帰国後に調査結果を早急に取りまとめ、2月の補足調査で補完したい。
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