2019 Fiscal Year Research-status Report
米国のジェントリフィケーションの研究-創造都市政策に抗する都市社会運動を注視し
Project/Area Number |
19K02120
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
矢作 弘 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (40364020)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Gentrification / New York City / Suburban Studies |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度前期は、ジェントリフィケーション関係の文献の集取とその読み解きに傾注した。特にアメリカにおける研究動向、及び創造都市/創造階級をめぐるリチャード・ フロリダの「転向」、それをめぐる議論に注目した。また、2019年度後期に予定した現地調査の準備を進めた(ニューヨーク・ブルックリン、マンハッタン、クイーンズ区)。 ニューヨクでの現地調査 海外研究者(マグダ・ボルゾーニ=イタリアのトリノ大学博士研究員)と協働調査に臨む。 1)ジェントリフィケーションの最前線:ブルックリン(ダンボ、グリーンポイント、ウイリアムズパーク、ブッシュウイック、ブルックリンハイツ、パークスロープなど)、2)ジェントリフィケーションの後期:マンハッタン(チェルシー、ロアーイーストサイド、トライベッカ、ハドソンヤード界隈) 郊外の状況を理解するために、ラドバーン(ニュージャージー)の田園郊外を視察した。この間の研究を通して「郊外学」の擁立が必要ではないか、と考えるようになった。その関連の研究論文を読む。 「ジェントリフィケーション」「変わるラストベルト都市」及び「変容する郊外」を基軸に出版の準備に着手した。2020年度中の出版を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)海外研究者との協働は順調である。今般の研究を起点に踏まえ、さらなる研究資金の応募を話し合いっている。すなわち、本研究をさらに発展、拡充する機会にになっている。 2)有力出版社との間で出版計画が進む。研究成果の、中間的な発表の機会にすることができる。 3)「郊外学」の擁立、という新たな学術ジャンルの創設を思いついたことは、大きな成果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)進行中の出版計画を実現するために、鋭意、努力し、原稿の推敲に努める。 2)2020年秋に、さらにアメリカ調査を重ねる。シンシナティ(オハイオ)、ナッシビル(テネシー)などの地方都市のGentrificationにも注目する。 3)Gentrificationと郊外の変容の関係を注視し、「郊外学」の擁立に関する研究を進める。 4)2021年度(研究最終年度)における、成果発表を睨み、Gentrification研究を深化させる。
|
Causes of Carryover |
現地での交通費を節約した(タクシーを使わずに、地下鉄を利用した)。 また、海外研究者の日当を節約した。
|