2023 Fiscal Year Annual Research Report
米国のジェントリフィケーションの研究-創造都市政策に抗する都市社会運動を注視し
Project/Area Number |
19K02120
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
矢作 弘 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (40364020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市再生 / 都市の「かたち」 / アフターコロナ / アメリカの都市計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVIDー19の前と後で大都市、特にアメリカの大都市圏がどのように変容したかを明らかにした。 <大都市>:COVIDー19以前の、新自由主義的都市政策によって加速したGentrificationが、コロナ下、コロナ後にどのように変化したかに注目した。すなわち、1)リモートワークが普及し、ある程度、ハイブリッド型の働き方が定着し、その結果、ダウンタウンのビジネス街にあるオフィススペースに空きが広がった、2)また、ニューヨークやサンフランシスコでは人口がマイナスになって住宅需要が低迷した(しかし、住宅価格は高止まりが続いている)。Gentrificationの1時的な緩和が観測された。 しかし、半面、大都市の苦戦は一時的な現象であり、中長期的には集積(IT,AT,バイオなどの先端ビジネス、及び大学、研究所)の効果を発揮し、COVIDー19以前のレベルに再生する、という判断を論じた。減少傾向にあった人口も回復の兆しを見せている。 <郊外> 一方、同じ時期に「郊外の「かたち」」も変容していたことを明らかにした。戸建て住宅主義が転換を迫られ、アフォーダブル住宅を供給するためのzoningの変更が広がっている。その流れはミレニアム世代が結婚し、住宅を購入する世代になってきたことと合流し、「郊外の「かたち」」を変容させている。郊外型都心=職場、エンターテイメント機能を備えたまちづくりが進むようになっている。 以上の成果として単著1、編著1、論文を発表した。
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