2020 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンにおける新たな貧困集積空間の形成:再居住地のフィールドワーク
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19K02124
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石岡 丈昇 日本大学, 文理学部, 教授 (10515472)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 貧困 / 再居住地 / 根こぎ / ネグレクト |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまでに収集したデータの分析および再分析をおこなった。また、オンラインで調査参加者にインタビューをおこない、それらをトランスクリプト化した。こうしたデータ収集・分析に加えて、本調査の中間報告的な内容を含んだ「タイミングの社会学」という連載原稿を雑誌『現代思想』(青土社)で公表した(2020年11月~現在)。 Covid-19のパンデミックにより、予定していた現地調査ができなくなったのは、大きな痛手であった。しかしながら、調査参加者から送られてくる写真や映像、メールなどを通じて、こうした危機の時間だからこそ痛烈に現れる貧困問題があることを目の当たりした。平時においてはそこまで現出化しないことも、危機においては先鋭化して現れる。たとえば、ロックダウンのあり方や、そのなかでの救援物資の配分方式なども、貧困や地域的スティグマが深く関係していることが、現地から送られてくるデータを通じて見えてきている。 貧困集積が、本調査の主要テーマであるが、こうした危機の時間における貧困の現れにも注視しながら、次年度の調査は展開していく予定である。オンライン・インタビューをより積極的に導入するほか、現地のファーストハンドの情報を調査参加者から送ってもらうことで、より充実した成果へと発展させる予定である。 また、フィリピンは、海外出稼ぎからの送金を受け取ることによって、生活を可能にしている貧困層も多いが、パンデミックは、こうした海外送金にも影響を与えている。こうしたインパクトまで含めて、本調査テーマであるフィリピンの新たな貧困集積の形態を把握することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19のパンデミックにより、現地調査ができなくなったことは、大きな痛手であった。しかしながら、この危機の時間において現出する貧困のあり方が多様であることを、現地から送られてくるデータを通じて確認することができた。この点をも含めて、次年度は貧困集積をめぐる新たな概念形成にまで進んでいく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査を充実させるために、オンライン・インタビューを積極的な取り入れる予定である。Covid-19により、現地調査ができなくなったが、しかしパンデミックは貧困の現れをめぐって、様々な新たな論点を開示しているとも言える。よって、Zoomなどを用いたオンライン・インタビューを用いて、この危機の時間における経験をデータ化することを目指す。
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Causes of Carryover |
Covid-19のパンデミックのため、フィリピン現地調査ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度において、国際移動が可能になり次第、速やかに現地調査を複数回にわたって実施する予定である。
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