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2023 Fiscal Year Annual Research Report

フィリピンにおける新たな貧困集積空間の形成:再居住地のフィールドワーク

Research Project

Project/Area Number 19K02124
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

石岡 丈昇  日本大学, 文理学部, 教授 (10515472)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords再居住地 / 貧困
Outline of Annual Research Achievements

マニラの都市貧困層の再居住地を事例に職の喪失や長距離・長時間の通勤の困難について把握することができた。またそこでの社会的サービスの不足も大きな課題であり、具体的には水や電気の未供給、貧弱な材質で建造された家屋、病院や学校やコミュニティセンターの未建設といった問題点が指摘されていることが把握できた。
マニラのスクオッター地区から再居住地への移住が「雇用(employment)から自営(enterprise)へ」という変化を生み出していることも見えてきた。第一に、再居住地研究を、かつて生活していたスクオッター地区との関連で捉える点の重要性を確認した。スクオッター地区から再居住地への移住という変化に照準することで、再居住地をそれ自体のみで捉えるのではなく、スクオッター地区での生活との乖離という点から考察する必要性がわかった。
第二に、再居住地で必要となる生業(livelihood)とは何かについて、踏み込んで考察することの重要性を把握した。再居住地研究では生業機会の不足が盛んに主張されてきたが、その中身がいかなるものなのかを考察してこなかった。スクオッター地区では雇われて働く形式-大工やタクシー運転手や料理人など-が一般的であったのに対して、再居住地では自営業-携帯電話の修理業や数珠の作成販売など-として経営していくことが求められる。再居住地周辺には、「雇用」を可能にする場はないため、「自営」が求められるのである。だが、そうした働き方をしたことのない元スクオッター住人には、この変化は大きな障壁となることが見て取れた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Book (1 results)

  • [Book] ローカルボクサーと貧困世界〔増補新装版〕2024

    • Author(s)
      石岡丈昇
    • Total Pages
      396
    • Publisher
      世界思想社

URL: 

Published: 2024-12-25  

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