2023 Fiscal Year Annual Research Report
Globalisation of Care Work and Intersectionality
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19K02127
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小川 玲子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30432884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際移動 / ケア労働 / ジェンダー / エスニシティ / 交差性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年からのコロナ禍により多くの介護施設ではクラスターが発生し、家族も面会禁止になったため、予定していた介護施設での調査が出来なくなってしまった。また、介護士へのインタビューもオンラインなど限定的な方法で対応せざるを得なかったが、2023年5月に5類感染症に移行したことに伴い、調査を再開することが出来た。 2023年度は複数の在留資格の外国人を雇用する介護施設8か所と外国人介護士10名、外国人介護士の育成にかかわる日本語学校や介護の専門学校へのインタビューを行い、1)多様な属性を持つ外国人労働者の評価、2)外国人労働者の流入による介護現場の変容、3)外国人労働者が介護現場で働き続けるための条件、についての聞き取りを行った。また、インドネシアとフィリピンにおける介護人材の育成の調査を行い、政府関係者とも議論を行った。さらに、台湾の国立政治大学でコロナ禍のケア労働者のワークショップを企画開催し、日本側から4つの報告を行った他、メルボルンで開催された国際社会学会(ISA)や日本国際政治学会でも報告を行った。 コロナ禍で国境が封鎖されている中においても介護が安定した仕事であり、介護福祉士に合格すれば在留が継続できることから外国人介護士は増加してきた。一方、外国人介護士の評価や育成のための資源は在留資格によって異なっていた。介護現場ではコロナ禍を経て外国人介護士に対する依存が深まっており、受け入れと定着へ向けた試みも見られる。2023年度は、技能実習制度が廃止されることとなり、国境封鎖が解除され特定技能が増加するなど大きな変化に直面したが、ようやく調査が再開でき、海外との学術交流も行うことが出来た。
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[Book] 平和学事典2023
Author(s)
日本平和学会
Total Pages
778
Publisher
丸善
ISBN
978-4-621-30808-0
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