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2022 Fiscal Year Research-status Report

社会的実践としてのアメリカ社会調査をめぐる概念・制度史的考察

Research Project

Project/Area Number 19K02128
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

北田 暁大  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (10313066)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords社会調査史 / アメリカ社会学 / シカゴ学派 / 科学社会学 / デュボイス / ハルハウス / 社会的なもの / ラザースフェルド
Outline of Annual Research Achievements

社会調査という営みは、近代社会学の生成過程において自明の存在ではなかったし、現在において社会調査とみなしうるよな営みの多くは社会学という学問的領域に収まりうるようなものではなかった。重要なのは、社会学という学問の自律化において「社会を経験的に調べる」という営為がになった制度的・意味的役割を分節しつつ、調査するという営み自体が、学問や言論の機能分化に即して転態していく様相を把握することである、--こうした視点から本研究は、「社会調査と社会学」の関係性の歴史的来歴を探究してきた。

コロナ禍の影響で海外での文献・資料収集が困難となっていたために難航していた本研究であるが、日本にて入手可能な文献資料により相応に有益な研究成果を上げることができている。
基本的には、①W.E,B.デュボイスの計量社会学的手法が持つ歴史的含意とドイツ社会学の影響、そしてそれがアメリカにて結実しえなかったことの歴史的要因についての探究を一層推し進めるとともに、継続的にシカゴ学派についての新研究を渉猟し、シカゴ学派・ハルハウスの歴史的位置付けを考察する、など歴史社会学・知識社会学的な研究を進め、さらには②近代における学術誌とジャーナリズム媒体との分化の過程について理論的・経験的に考察を深化させた。これらの成果を2023年度中に公刊できるよう準備を進めている。
また第三帝国期におけるドイツ社会学(社会調査)の展開については二次文献についての渉猟を終え、日本語でのパイロットスタディー的な研究論文を用意しているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記のように、コロナ禍の影響で海外での文献・資料収集が困難となっていたために難航していた本研究であるが、日本にて入手可能な文献資料により相応に有益な研究成果を上げることができている。
とはいえ海外渡航が困難となる状況でのオリジナルな研究の展開には一定程度の限界があり、その点についての挽回が本年度の課題である。

Strategy for Future Research Activity

本年度はこれまでの研究のとりまとめをするとともに、それらを資料発見的な価値により補強しうる史資料の収集・確認・整理に努める。コロナ禍の間、新しい米国・ドイツでの史資料の探索は相当に限定的なものとならざるをえなかったが、そのぶん、歴史の流れを合理的に解釈・理解する認識枠組みの構成についてより多くの時間を割くことができた。今後は新しく得た史資料をどのようにこの認識枠組みに合流させるかについての考察を、史資料収集の実作業とともに進めていくこととしたい。
また積極的にアルバイトを依頼し、最終年度の取りまとめに相応しい史資料整理・解析を行っていくこととしたい。

Causes of Carryover

本研究において最重要の位置を与えられるアメリカ、ドイツでの社会調査史資料収集が、コロナ禍のため十分な形で行う見通しが得られなかったため。次年度においては、円安や航空機・滞在費の高騰などの事情も踏まえつつ、やや限定した形で、適切かつ迅速に海外での資料収集を行うこととしたい。

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Published: 2023-12-25  

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