2019 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルワークの社会学的再検討による教育・実践理論の構築―シカゴ学派を補助線に
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19K02148
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
西川 知亨 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (50582920)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | ソーシャルワーク / シカゴ学派 / 総合的社会認識 / 社会学的再検討 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
シカゴ学派を補助線にして、ソーシャルワークの社会学的再検討による教育・実践理論の構築を試みる本研究の方向性について検討するなかで、次の成果を得た。
① 現代社会における家族福祉実践に関する論考を発表した。そのなかで、男性の育児などジェンダーと育児の諸問題、およびケア役割・労働やソーシャルワークなどの観点からの生活の再組織化について検討した。② 総合的社会認識を一つの重要な意義として認められるシカゴ学派社会学をソーシャルワークに応用する可能性についての原稿を執筆した。そのなかで、現代のソーシャルワーク教育における問題点を整理し、シカゴ学派社会学の総合的社会認識のパースペクティブの応用可能性について探った。③ ソーシャル時代およびポストソーシャル時代と位置付けられる現代におけるソーシャルワークの可能性について考察した。そのなかで、人と社会の関係性について論じたデュルケムの社会観に立ち返り、現代社会における社会的絆の変容と、従来型および近年型の福祉ソーシャルワークの様相について検討した。このテーマに関しては、研究書の刊行に向けた編集の作業に携わりながら、調査と研究を進めている。④ シカゴ学派などの社会学史とソーシャルワークの関係の意義についての原稿を執筆した。そのなかで、社会学史のソーシャルワーク教育への応用可能性について考察した。③のテーマと同様に、このテーマに関しても、書籍の刊行に向けた編集の作業に携わりながら、調査と研究を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として主に令和元年度に予定していたシカゴ学派の社会生態学の理論的研究について、主にのちの年度に研究を予定していた「現代社会の家族福祉実践」やソーシャルワーク教育と接合して研究を進める見通しが得られたと言いうるためである。
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| Strategy for Future Research Activity |
社会学史を修正活用した【理論】と【実証】を往復する社会学的ループ、およびエビデンスを重視する【実証】と「【教育】【実践】」を往復する社会福祉学的ループを活用し、両者を絡み合わせる「総合」的研究を念頭に置いて、「総合的社会認識の社会学による福祉実践」の推進を図る。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、予定していた出張にかかる旅費、およびソーシャルワーク教育についての研究にかかる費用について、当該年度に関しては別資金を利用することができたことがあげられる。
上記や研究の状況等を踏まえ、使用計画としては、第1に、前年度に引き続き、新しいものを中心にして、ソーシャルワーク教育研究に関するものなど、データとしての文献・映像資料の購入が必要であるため、この経費として使用する。第2に、福祉社会の構築に向けた、本研究テーマの議題設定および理論的枠組みの洗練化を進めるために、内外の社会福祉学および社会学に関する文献・映像資料等を購入する経費として使用する。
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