2020 Fiscal Year Research-status Report
国民経済の開放性が草創期の社会保険制度に及ぼした影響に関する国際比較研究
Project/Area Number |
19K02155
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松永 友有 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50334082)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自由貿易 / 保護主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
単著論文「ジョン・メイナード・ケインズの国際経済思想-経済的ナショナリズムと自由貿易主義国際平和論との相克」が、査読の手続きを経て、経済学史学会機関紙である『経済学史研究』第62巻第1号(2020年7月発行)に掲載された。経済学史学会は、経済思想史・経済学史プロパーの学会としては、我が国最大の学会である。 さらに、英語の単著論文"The paradoxical coexistence between free trade ideology and economic nationalism within left liberals in Britain: The international economic thought of J.A. Hobson and J.M. Keynes"が、査読の手続きを経て、インパクトファクター付きの国際ジャーナル(いわゆるSCIジャーナル)であるHistory of European Ideasにおいて、印刷版に先行するオンライン版として2021年3月に刊行された。印刷版は2021年度に刊行される予定である。 また、英語の単著論文"Reconsidering the Tariff Reform Controversy"を、1972年に創立された伝統ある国際ジャーナルである、Journal of European Economic Historyに投稿し、これも査読の手続きを経て、2021年5月2日付で掲載決定の通知を得た。本論文は同誌の本年12月号に掲載される予定である。 また、本研究課題の中心的な研究成果を、"Significance of Economic Openness for the Origins of Social Insurance Policies in the Initial Stage: A Comparative Study”というタイトルの英語論文として作成し、SCIジャーナルであるGlobal Social Policyに目下投稿中である。 その他、査読の手続きを経て、国内のジャーナルである『国際武器移転史』に「1902年植民地会議における帝国海軍同盟構想と帝国通商同盟構想」という論文が2021年1月に掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第1に、レフリーによる審査を経たうえで、経済学史・経済思想史プロパーでは我が国最大の学会である経済学史学会の機関誌である『経済学史研究』に単著論文が掲載されたことである。 第2に、やはりレフリーによる審査を経たうえで、インパクトファクター付きの国際ジャーナル(いわゆるSCIジャーナル)であるHistory of European Ideasにおいて、英語の単著論文の掲載が決定したことである(2021年3月にオンライン版には掲載済み)。 第3に、著名な経済史家ピーター・マサイアス(Peter Mathias)らによって1972年に創立された伝統ある国際ジャーナルであるJournal of European Economic Historyに英語の単著論文を投稿し、やはりレフリーによる審査を経たうえで、2021年5月付けで掲載決定の結果を得たことである(2021年12月号で刊行予定)。 第4に、本研究課題の中心内容を英語の単著論文として執筆し、英語ネイティブによるプルーフリーディングを経たうえで、SCIジャーナルであるGlobal Social Policyへ投稿する状況に至っていることである。 第5に、国内のジャーナル、『国際武器移転史』に投稿した論説が査読の手続きを経て掲載決定に至ったことである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度も、新型コロナウイルスの世界的蔓延という状況により、元々予定していた海外出張による史料収集は、残念ながら困難な状況である。しかしながら、文献収集は順調に進んでおり、その結果として、2020年度には上述したような研究成果を得ることができた。したがって、今年度も内外の文献収集を継続するとともに、国際ジャーナルに投稿中の論文の修正要求といった結果を得た場合には、英語論文校正業者によるプルーフ・リーディングを依頼したうえで論文の完成度をいっそう高めるなど、英語による国際的な研究発信に尽力していく予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの世界的蔓延状況により、史料収集のために予定していた海外出張、および国内出張をいずれも断念せざるを得なかった。 次年度は、可能となり次第、国内出張、および海外出張による史料収集活動をおこなう。また、それらの活動が困難であるとしても、内外の文献収集を継続しておこない、英語論文の執筆に際して必要なプルーフリーディングなどのためにも助成金を活用する。
|