2022 Fiscal Year Research-status Report
地域社会におけるケイパビリティに基づく福祉行財政の基礎理論――自治と自立の検討
Project/Area Number |
19K02156
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
村上 慎司 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (80584359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角崎 洋平 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10706675)
中倉 智徳 千葉商科大学, 人間社会学部, 准教授 (30586649)
堅田 香緒里 法政大学, 社会学部, 准教授 (40523999)
箱田 徹 天理大学, 人間学部, 准教授 (40570156)
橋口 昌治 大谷大学, 社会学部, 講師 (50584950)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ケイパビリティ / 地域社会 / 福祉行財政 / 自治 / 自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績について、これまでの研究会の議論の蓄積を活用して、以下のような研究成果があった。まず、村上慎司(2022)「パンデミックにおける人間の安全保障とリスク社会のサブ政治に関する理論的覚書」『医療・福祉研究』29:2-3である。同論文は、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックの状況において、アマルティア・センの人間の安全保障とウルリッヒ・ベックのリスク社会のサブ政治との理論的関連について考察するための構想を書き記したものである。ここでポイントになるのが、サブ政治の内実に実質性を与えることであり、本研究課題における自治に関する論点である。 ボトムアップ的な自治に対置される概念の一つとして、グレゴワール・シャマユーの権威主義的リベラリズムがある。これは、ネオリベラリズムのバリエーションの一つであり、本研究課題の研究会でシャマユー『統治不能社会:権威主義的ネオリベラル主義の系譜学』を読解・検討してきた。これを踏まえて、ネオリベラリズムに関する理論研究を本年度も継続して遂行する計画である。 その他に、本研究課題に関連する研究分担者の業績は別紙に記載した通りであるが、とりわけ、関連がある研究業績として、角崎洋平(2023)「新自由主義と福祉社会は両立可能か」『福祉研究』116:62-69、箱田徹(2022)『ミシェル・フーコー:権力の言いなりにならない生き方』講談社現代新書がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に予定していた研究会・調査を十分に実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会の開催頻度を増やし、調査について計画を見直して実施する。
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Causes of Carryover |
調査が十分に実施できず、次年度使用が発生した。理論研究のための図書費用を増やす計画である。
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