2020 Fiscal Year Research-status Report
就労支援実践家のメンタル不調を予防する組織と管理職育成プログラムの開発
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19K02163
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
大川 浩子 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (50458155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 有紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10292616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 就労支援 / 管理職 / 組織 / マネジメント / ワーク・エンゲイジメント / ストレス / 人材育成 / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度末より、就労支援施設における管理職および組織の現状を把握するために、就労支援施設の管理職に対するアンケート調査、インタビュー調査の2つを開始した。アンケート調査は回収作業を完了し、現在、データの分析を行っている最中である。 一方、管理職に対するインタビュー調査については試行的な分析として、現在の就労支援事業所で初めて管理者となり、運営法人の役員でもある2名のインタビューデータを逐語録にし、KH-coderを用いたテキストマイニングを実施した。その結果、管理職としての課題は、①プレイヤーからマネージャーに移行する際の環境変化である各々として働くバランス(プレマネバランス)(中原淳,2014)の課題、②複数の管理的役割をこなす課題、③次世代育成の課題の3点があることが認められた。さらに、管理者の背景(管理職自身の経験や組織体制など)によって、これらの課題の比重が異なることも示された。 また、インタビュー調査協力者より、組織の形態として全国展開している株式会社を提案され、新たな研究協力者として依頼を行った。その結果、最終的に12名の管理者に対しインタビュー調査を行うことができた。このインタビューデータを逐語録にし、KH-coderを用いたテキストマイニングを用い、所属事業所の運営法人役員の兼務有無で2群に分けて比較検討を行った。その結果、先の分析と同様に、プレマネバランスの課題が考えられた。加えて、法人役員を兼務する管理者は、非兼務管理者より事業所等の経営面に注目せざる得ない状況であることも考えられた。この点は、先の分析でも示された「複数の管理的役割をこなす課題」において、実践者、管理者、経営者という3つの役割のバランスが課題になると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、アンケート調査とインタビュー調査の結果を基に管理職向けの予備研修プログラムを作成予定であったが、新型コロナウイルスの蔓延のため、データ収集も含めた全ての作業が遅れている。その結果として、現在もデータ分析中のため、予備研修プログラムの開発に至ることが出来ていない。さらに、研修プログラムは計画した時点では対面による実施を予定していたため、現状では今後の実施も危ぶまれる。
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Strategy for Future Research Activity |
予備研修プログラムに関しては、新型コロナウイルスの蔓延が収束する(ワクチンの普及を含む)場合、対面による実施を計画する。また、蔓延状況が変わらない(対面での実施に関して感染予防対策を行っても感染のリスクが拭えない)場合は、Web会議システムや動画を用いるなど対面以外の実施方法を検討する。また、今年度が最終年次のため、1年の延長を申請し、その期間で未実施部分について取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、全体の作業が遅れ、結果として予備研修プログラムを実施することができなかったため。
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