2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on the UK welfare to work - toward theorising independence and work -
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19K02175
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 隆 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90200815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 惠子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20309503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非就業 / ニート / 引きこもり / アクティベーション / エンプロイアビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
3本の研究論文を執筆した。1本目は「試論 都市コモンズから『共を』問う ―英日の動向を踏まえて―」で、コモンズ(commons)の視点から、働くことと共同性の関連性を考察した。2本目は「福祉コモンズと社会的企業」で、特に英国の就労支援型社会的企業の分析に重点を置いた。3本目は「日英の若者就労支援の動向」で、2020年3月に脱稿し、『地域福祉情報』ジャパン通信社6月号に掲載予定である。日本の若者サポートステーションと英国のプリンス・トラストを比較検討した。 研究会は毎月定例で開催した。会場は関西学院大学大阪梅田キャンパスで、アクティベーションおよびエンプロイアビリティを中心に日英の文献調査を行った。 国際セミナーは2回開催した。1回目は「英国の子どもの貧困」をテーマとし、講師にキティ・ステュワート准教授(ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス)を招聘した。ステュワート氏には、貧困問題だけでなく、「働くための福祉(Welfare to Work)」にも言及してもらった。主催は大阪市社会福祉研修・情報センターで、日時は2019年11月4日14時~16時30分、会場は関西学院大学大阪梅田キャンパス1406教室であった。研究者や実務家が集まり、講演後に活発な議論が展開された。2回目は「生きづらさを抱える若者たち 日英の専門家の対話」で、講師はワエル・アル・アベド氏(元ユース・エンプロイメントUK職員、現ジャーナリスト)と米田光晴氏(京都ユースサービス協会・京都若者サポートステーション:チーフワーカー)であった。主催は大阪市社会福祉研修・情報センターで、日時は2020年2月23日13時30分~17時20分、会場は関西学院大学大阪梅田キャンパス1406教室であった。二人の講師の実践的な報告が非常に参考になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の令和元年度においては、文献研究として、若者の非就業やニートに関する基本資料を検討した。8月の英国調査では、若者のエンプロイアビリティの向上を支援する社会的企業などを実地調査し、日英の比較研究を深めることができた。キティ・ステュワート氏やワエル・アル・アベド氏を招聘したが、英国の研究者との学術交流により多くの貴重な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.令和2年度における方針 2年目においては、アクティベーション(activation)に関する日英比較研究をさらに深め、特にエンプロイアビリティ(employability)の視点から、国および地方自治体の雇用創出の政策や、民間が行うキャリア支援事業を分析し、加えて雇用を整備する官民組織連携の動きを明らかにして、研究全体を掘り下げたいと考えている。事情が許せば、今年度も令和3年3月頃に英国調査を企画しており、ロンドン市の組織「ロンドン経済行動パートナーシップ(LEAP)」や他の自治体の「地域企業パートナーシップ(LEPs)」を訪問し、またチャリティのプリンス・トラスト(the Prince’s Trust)や他の社会的企業を視察して、詳細な情報や知見を得ていきたい。 2.研究計画 毎月ベースで開催される研究会において、福祉と就労に関する日英の文献を精査していく方針である。さらにZoomを利用して、年間に5~6回の頻度で、英国の研究者および実務家との研究交流を図る予定である。令和3年3月には、Zoomを活用して、「日英の福祉と雇用」をテーマにした国際セミナーを開催する予定である。コロナ禍の状況にあるが、新薬の開発により収束に向かうようであれば、3月にロンドンを中心にした英国実地調査を企画している。これらの成果をとりまとめて、学術雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
英国現地調査に要する費用について、当初予定していたよりも金額を抑えて実施することができたため、次年度使用額が生じた。引き続き英国現地調査を予定しており、渡航費に充てることにする。
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Research Products
(3 results)