2020 Fiscal Year Research-status Report
単身高齢者のためのインターローカル在宅看取りシステムの確立
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19K02176
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
堀江 尚子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50598943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
葛西 リサ 追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (60452504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅看取り / 施設看取り / 単身高齢者 / 貧困高齢者 / 在宅ケア / 施設ケア / ケアスタッフ / 高齢者施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度に実施したスウェーデンの高齢者ケアの現地調査結果について、日本看護科学学会での発表を行い有益な知見を得た。調査は2か所の介護住宅、訪問看護介護事業所、福祉課生活保護相談窓口担当職員に聞き取り調査と介護住宅見学を実施し、貧困高齢者、介護住宅、在宅ケアについて報告を行った。ウェーデンではホームヘルパーを利用しているのは高齢者の8%であり、一人暮らしに不安を持つ人は高齢者自ら介護住宅での生活を希望し、入居後その多くは施設で看取られる。ケアスタッフへのケアと教育は課題であるが、とりわけ看取りを直接担ったケアスタッフへのケアは重要である。実践現場のケアスタッフへのケアは、直属の上司が担うが、その実践はそれぞれに任されており、多くが独自に自身の経験に基づき実施しているのが現状であった。移民問題など日本と異なる社会状況もあるが、多死社会を迎える日本においても、親族ではない第三者による看取りを考える受けで、大いに参考になる事象である。 また本年度はCOVID-19の影響により全ての調査を延期とし文献の整理を実施し、自宅以外の看取りはますます重要視される傾向であることが整理された。現在では介護保険を利用し「在宅ひとり死」は不可能でなく、それを積極的に進める意見もある(上野,2021)。しかし看取りの段階まで自宅で過ごすというのは簡単でない。家族形態別に高齢者では約57%が単独世帯か夫婦のみ世帯であり、この二つのタイプの家族形態が今後も増加することが予想されている。介護保険は同居の介護者の存在が前提であるため、最後まで自宅で過ごすためには、かなりの準備と工夫が必要である。実際に老人ホーム死が増加傾向にあることをふまえ、介護医療院、高齢者住宅などを含む集住型施設で最期をむかえる方が増えることが予想されている(2019,三浦)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年の単身高齢者支援を行う海外事例の調査終了後、2019年末にCOVID-19による感染が世界ではじめて確認された。2020年には全世界的に感染が拡大し、日本においても緊急事態宣言が発令され移動が制限される状況となった。感染の拡大状況は世界の中で日本は緩やかと判断されていたが、2021年、変異ウィルスによる急激な感染者の増加に医療体制崩壊の切迫的状況にあり、4月3度の緊急事態宣言が発令された。高齢者施設でクラスター感染が発生し、入院できない高齢者が、施設内で短期間に数十人亡くなるという報告もある。当該研究者の居住地大阪はとりわけ感染者数が多く、行動の自粛を強く求められている。この状況下にあり、施設並びに医療職を対象とした調査は全て保留にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象がCOVID-19の感染拡大による影響を強く受けており、対象現場が疲弊してい状況にあるため、社会状況を考慮しつつ、調査再開時期を決定する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19による感染拡大により、調査を全面的に延期としたが、感染状況が終息の傾向に入った段階で、調査を再開する予定である。
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Research Products
(1 results)