2021 Fiscal Year Research-status Report
単身高齢者のためのインターローカル在宅看取りシステムの確立
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19K02176
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
堀江 尚子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50598943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
葛西 リサ 追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (60452504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看取りケア育成 / 施設看取り / 単身高齢者 / 貧困高齢者 / 在宅ケア / 施設ケア / ケアギバーケア / 高齢者施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
スウェーデンの高齢者ケアの現地調査結果を基に、日本での最終段階の居住地、施設ケアでの必要な要件を検討した。単身世帯の増加する日本で、高齢者の自己決定は尊重されつつも過度の在宅主義に偏ることなく人生の最終段階の居住地として、在宅、多様な施設といった複数の選択肢があることが望ましい。また、施設ケアスタッフが経験する入居者の死は2.5人称の死であり、デスカンファレンスといったケアギバーのケアの必要性の認識が求められる。 2021年は小規模多機能型居宅介護事業所でベテランスタッフを対象にインタビュー調査を実施した。日本の施設という現場で看取りケアを巡りスタッフ育成に何が必要かを探索することを目的としたものである。調査結果からは以下のことが明示された。 亡くなり方は人それぞれでその対応はマニュアルにはできない。亡くなり方は人それぞれで人さまざまで、この事業所では看取りケアに関してのマニュアルはない。それぞれ個別の対象に介護者がどのように接するかは事前に取り決めができない。 介護は面白い、一方で介護は大変である。ベテランが介護を面白いというときは、それが自分の経験の総括である。その醍醐味は対象の想定外の変化である。一方、介護の大変さを物語る時、それは自分以外の介護者についての言及であり、介護の大変さはケアの外にあるという。それは概ねチームメンバーとの関係である。チームワークが良好であれば、大変な仕事は面白い仕事に変化する。 ベテランは 看取りケア教育で経験の浅い介護者の不安を和らげる役割を担い、看取りには介護者の感度と対象と介護者の[継続的な関係]が重要と考えている。また看取りケアでは介護者の感度が要求され、そのために大切なのは対象と介護者の継続的な関係である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年末に確認されたCOVID-19は、その後変異株が新たに発見され、世界規模での感染拡大と終息を繰り返していることの影響を受けている。医療体制崩壊の切迫的状況は脱しているが、高齢者は感染による死亡率か高く、本研究の対象である高齢者施設では感染対策に尽力が注がれている。この状況下で外部からの調査者の受け入れに消極的となっている現状にある。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象が調査者を含めた部外者の受け入れをおこなっていないところが多く存在するため、機縁法に依る調査の実施を予定している。対象は多様な施設並びに居住とし、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームなどである。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大状況の影響をうけ、調査実施が困難となった。今後、感染状況を鑑み調査対象の同意を得た介護老人保健施設、介護老人福祉施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームなどでの現地調査を予定している。
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Research Products
(1 results)