• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

Socio-historical Research on Cooperation among Cooperatives and Partnership in Civil Society

Research Project

Project/Area Number 19K02182
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

伊丹 謙太郎  法政大学, 公共政策研究科, 教授 (30513098)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords賀川豊彦 / 関東大震災 / 協同組合 / 非営利組織 / 社会的連帯経済 / パートナーシップ / SDGs / 災害救援
Outline of Annual Research Achievements

本研究は協同組合間協同の歴史を通して、非営利組織の事業パートナーシップのあり方について検討するものである。2023年度は、1923年に発災した関東大震災から100年を迎える年でもあり、同時代に震災救援活動からはじまった諸団体の展開について議論する機会が多く得られた。元来、社会運動家・事業家である賀川豊彦の東京での活動を中心に研究を進めてきたこともあり、本研究課題の一環として、大正期の非営利組織や事業体、社会運動の歴史を改めて確認する機会が得られたことは、本年度の大きな成果につながった。歴史・思想史研究の視座から本課題に取り組んでいるなかで、現代の災害研究やコミュニティ研究に関わる実践者・研究者との対話の機会に恵まれた本年度は、研究の視野を広げ、研究の社会的意義を改めて考え直す適切なタイミングとなった。同時に、非営利組織間のパートナーシップのあり方として着目している「社会的連帯経済」についても、いくつかの展開があった。1)国内外の多くの研究者・実践者の協力を得て、現場のフィールドワーク(「新しい協同探訪」という月刊誌でのシリーズ企画-全10回)を実施することができた。2)労働者福祉中央協議会主催の社会的連帯経済の連続セミナーのメインナビゲーターとして9月から毎月1回、1年間にわたってオンライン公開講座を開催し、複数のテーマから社会的連帯経済の可能性について議論を進めている。その他、上述の関東大震災百年の関連企画として賀川豊彦論の雑誌掲載や書籍執筆のほか、日本協同組合連携機構JCAの都道府県協同組合連携組織全国交流会のコーディネートなど、全国の協同組合や非営利組織との交流を深め、事例収集を進めることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初計画はコロナ禍前であったため、大幅に計画を変更し国内中心の研究推進を前倒しするとともに、オンラインにて海外研究者との共同研究を進めることになった。結果、オンラインの活用が功を奏して、いずれにおいても、当初予定していた以上の計画進捗を実現させることができている。ただし、コロナ禍仕様の研究が順調である分、当初の海外調査等で予定していた計画が実施できていない状態である。特に軌道を戻さないでも研究成果は想定以上のものとなっているが、予算執行においてはコロナ前後でのバランスを取り戻す形にはなっていない。1年間の延長の上にさらに1年間の期間を延長したのは、なんとか当初計画の海外調査の一部は実現したいという考えからである。オンラインミーティングなどを技術的インフラが整った結果として簡易な海外交流が実現し、全体としての成果は当初計画よりも進んでいるというのが実態ではあるが、海外での調査が実現できていないのはマイナス面ともいえる。少なくとも国際シンポジウムなどを開催することで最終的に国内外の研究知見を交差できるような成果を産み出したい。

Strategy for Future Research Activity

最終年度には、これまで収集してきた事例等を改めてまとめ直し、具体的な成果としての公刊準備に進めていく。2024年4月には、社会的連帯経済をテーマに責任編集を務めた研究誌『WELFARE』14号(全労済協会)が刊行され、5月には国内の有識者やステークホルダーを対象としたインタビュー集をILO駐日事務所より刊行する予定である。また、2022年より続けている社会的連帯経済公開講座も2024年度は5月から7月に計10コマ開催することになっている。その他、秋から冬にかけて東アジアの社会的連帯経済をテーマとした国際シンポジウムの開催準備に入っており、これまで実施してきた公開講座やシンポジウム等の活字での成果公開に向けて順次準備を進めている。なお、2024年度より新しい研究課題をスタートさせたが、これは、本研究課題を発展させるものであり、研究成果は途切れないように刊行していく予定である。

Causes of Carryover

2019年にスタートした海外調査中心の計画が、2020年のCOVID-19の影響により大幅に見直しが必要となった。オンライン環境の構築により、海外研究者との交流は円滑に進められることになったが、多くをオンラインで実施することで逆に海外渡航用の予算等を執行する機会が減少した。研究計画自体は十分に進捗できたと考えるが、最終年度に海外調査あるいは国際シンポジウム等の実施を通して、対面での交流・共同研究を推進できるよう準備を進めている。

  • Research Products

    (18 results)

All 2024 2023

All Journal Article (13 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 賀川豊彦を手がかりに日本における社会的連帯経済の可能性を考える2024

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      生協総研レポート

      Volume: 100 Pages: 38,55

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(6)社会システムデザイナー 武井浩三 : 組織と社会を"協同"からリ・デザインする(後編)2024

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 66(1) Pages: 28,33

  • [Journal Article] 新しい協同探訪~広がりはじめた協同の世界を歩く(7)協同組合型株式会社シェアビレッジ -プレイフルエコノミーによるまちづくり2024

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 66(2) Pages: 22,29

  • [Journal Article] これからの資本主義 : 連帯社会の構築に向けたメモランダム(第6回)IDGsという視点 : SDGsウォッシュを克服する新しいマインドセット2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(3) Pages: 3,14

  • [Journal Article] これからの資本主義 : 連帯社会の構築に向けたメモランダム(第7回)協同・連帯の精神が紡ぐ新しい資本主義へ2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(4) Pages: 4,16

  • [Journal Article] 賀川豊彦の3つの時代と関東大震災2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      生活協同組合研究

      Volume: 574 Pages: 5,13

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(1)旅のはじめに : 松本典子先生に聞く2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(6) Pages: 24,33

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(2)ボーダレス・ジャパン : 互助システムを基盤とするソーシャル・ビジネス2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(7) Pages: 20,29

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(3)海士町複業協同組合(AMU WORK) : 協同組合と人材問題(前編)2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(8) Pages: 20,25

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(4)海士町複業協同組合(AMU WORK) : 協同組合と人材問題(後編)2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(9) Pages: 28,33

  • [Journal Article] 新しい協同探訪 : 広がりはじめた協同の世界を歩く(5)社会システムデザイナー 武井浩三 : 組織と社会を"協同"からリ・デザインする(前編)2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      共済と保険

      Volume: 65(10) Pages: 18,23

  • [Journal Article] 書評 斉藤弥生 ヴィクトール・ペストフ編『コ・プロダクションの理論と実践 : 参加型福祉・医療の可能性』2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      協同組合研究誌にじ

      Volume: 685 Pages: 102,107

  • [Journal Article] よい仕事が溢れる共生のコミュニティを求めて2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Journal Title

      協同の発見

      Volume: 366 Pages: 91,93

  • [Presentation] これからの協同組合に何が求められるのかー社会的連帯経済と賀川豊彦を通して考える2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Organizer
      第19回労働者共済運動研究会
  • [Presentation] ひとと地球を大切にする「つながりの経済」(社会的連帯経済)2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Organizer
      みんなのSDGs第1回オンラインセミナー
  • [Presentation] 座長改題:特別シンポジウム「日本の協同組合の実践からアイデンティティの議論を深める」2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Organizer
      日本協同組合学会第43回秋季研究大会
  • [Presentation] 未来に向けて保存することー組合運動における芸術・建築の役割2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Organizer
      日本協同組合学会第43回秋季研究大会個別論題報告(テーマセッション)
  • [Presentation] 賀川豊彦と連帯社会ー分断を乗り越える2023

    • Author(s)
      伊丹謙太郎
    • Organizer
      西部労福協第41回研究集会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi