2022 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルワーカー養成課程で包括的な自殺予防教育推進に必要なプログラム等開発研究
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19K02198
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
小高 真美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (60329886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自殺予防 / ソーシャルワーク / ソーシャルワーカー / 福祉 / プログラム開発 / 包括的教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ソーシャルワーカー養成課程で、包括的な自殺予防教育推進に必要なプログラム等を開発することを目的としている。昨年度までは、ソーシャルワークを学ぶ学生を対象とした、講義中心の自殺予防教育プログラムに、演習プログラムをあわせた包括的自殺予防教育を目指した教育プログラム(以下、包括的教育プログラム)を開発した。 2022年度は、包括的教育プログラムの実施可能性と予備的な効果検証の調査を実施した。対象者は都内A大学で社会福祉学科に所属する3年生のうち、任意で研究協力が得られる学生とした。 研究対象者は、包括的教育プログラムの受講直前、直後、3か月後に質問紙に回答し提出した。包括的教育プログラムの講師は本研究の研究代表者が務めた。包括的教育プログラムは、講義約90分、休憩約10分、演習プログラム約60分で構成されている。事前調査、事後調査、3か月後調査の質問紙の構成は以下の通りである。①自殺と自殺予防に関する知識(小高ほか 2017)、②日本語版Attitudes Toward Suicide scale(ATTS)(Kodaka et al. 2013)、③自殺予防ゲートキーパー・スキル評価尺度(小高ほか 2022)、プログラム満足度・理解度・難易度(小高ほか 2017)(事後調査のみ)、⑤プログラムへのフィードバック(感想など自由記述)(事後調査のみ)。 13名の学生(女性12名,92.3%)から研究協力が得られた。包括的教育プログラムの受講後は受講前と比較して、自殺予防ゲートキーパー・スキル評価尺度の合計得点が有意に向上し、3か月後は有意な低下は認められなかった。プログラム満足度も高く、有害事象は認められなかった。本研究調査から、包括的教育プログラムの実施可能性と予備的効果が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で開発した包括的教育プログラムは、対面での講義と演習の実施を想定している。新型コロナウイルス感染症感染拡大により、プログラムの実施可能性と予備的効果検証を対面で実施することが困難な状況が続いたため、当初の研究計画の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度(研究最終年度)は、自殺予防教育プログラムの講義部分の改訂と、包括的教育プログラムの教授法マニュアルを作成し、演習プログラムと合わせて普及を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究で開発した包括的教育プログラムは、対面での講義と演習の実施を想定している。新型コロナウイルス感染症感染拡大により、プログラムの実施可能性と予備的効果検証を対面で実施することが困難な状況が続いたため、当初の研究計画の予定よりもやや遅れたことから、次年度使用額が生じた。2023年度(研究最終年度)は、自殺予防教育プログラムの講義部分の改訂と、包括的教育プログラムの教授法マニュアルを作成し、演習プログラムと合わせて普及を試みるために残額を使用する予定である。
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