2023 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワーカー養成課程で包括的な自殺予防教育推進に必要なプログラム等開発研究
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19K02198
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
小高 真美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (60329886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自殺予防 / ソーシャルワーク / 自殺予防教育 / プログラム開発 / マニュアル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はこれまでの研究成果を基に、ソーシャルワーカーを目指す学生を対象とした自殺予防教育プログラム「ソーシャルワーカーにできる自殺予防ー自殺の危機にあるクライエントの支援に備えたソーシャルワーク教育プログラム」(講義編・演習編)の教育資材およびマニュアルを改訂した。これまでに実施してきた本プログラムの効果検証の結果、プログラムを受講した学生の、自殺を容認する態度の変容に課題が残っていた。プログラムの受講前と比べ受講後に、受講学生の自殺を容認する態度に有意な変容が認められなかった原因として、自殺を安楽死や尊厳死と混同させている可能性があるのではないかと考えた。そこで、教育資材やマニュアルの改訂にあたっては、前述の態度変容を狙う工夫として、自殺のリスクを乗り越えた経験を持つ大学生の生の声(匿名;個人が特性される情報は含まない;プログラム掲載にあたり本人の承諾あり)の紹介を盛り込み、解説を加えた。 今後は、本研究で開発してきたプログラムとマニュアルの国内外への普及が期待される。既に本プログラムは、社会福祉士や精神保健福祉士を養成するいくつかの大学の講義や演習科目に取り入れられている。同プログラムの国際的な普及にあたっては、最終年度で、韓国語版普及に向けた準備を行った。具体的には、プログラムの教育資材とマニュアルの韓国語翻訳、韓国語版の効果検証のための韓国語による研究計画書案の作成、韓国語版の試行的実施や効果検証に協力を得られる研究者との意見交換などである。
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