2019 Fiscal Year Research-status Report
地域・社会要因へのアプローチによる高齢者の社会的つながりの喪失予防に向けた研究
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19K02200
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
林 尊弘 星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (40649787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 雅茂 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (70548768)
辻 大士 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (90741976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会的つながり / ソーシャルフレイル / 社会参加 / 地域在住高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,社会的つながりの喪失予防に向けた取り組みを明らかにするため,①高齢者の社会的つながりが失われる危険度を評価する個人要因と地域・社会要因のリスク指標を開発し,②地域・社会要因に対するアプローチを試みる地域介入研究を実施し同指標で効果を評価することである. 2019年度では,社会的つながりのリスク指標の開発のため国内外の先行研究を収集し,リスク指標の項目について検討を行った.また,リスク指標項目の候補の1つとして考えられる社会参加(特にスポーツグループへの参加)に関して,介護予防効果の検証を実施した.具体的には,社会的つながりの喪失の可能性が高いフレイル状態の高齢者においても,スポーツグループに参加することで,要介護認定発生が低下するのかを明らかにした.結果,フレイル状態の高齢者においても,スポーツグループに月1回以上参加することで要介護認定発生リスクが低かった.また,その関連は地域のスポーツグループ参加割合で大差はなかったが,スポーツグループ参加割合の地域間格差は大きく,フレイル状態の高齢者でも参加しやすい地域づくりにより,要介護認定率の抑制が可能な地域は少なくないことが示唆された.なお,この結果については第78回日本公衆衛生学会学術集会で発表した. 地域介入研究の準備としては,介入予定対象地区である名古屋市や東海市の担当者と随時,打合せを行い,現状での社会的つながりの喪失予防に有効な一般介護予防事業の取り組みについて議論を重ねた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本老年学的評価研究の既存データを使用した,社会的つながりが弱い高齢者や社会的つながりが弱い高齢者の多い地域のリスク指標の開発に関し,先行研究の検討に時間がかかってしまい,現状で分析が十分に進んでいない.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度では,日本老年学的評価研究の既存データを使用し,社会的つながりの弱い個人要因と地域・社会要因のリスク指標の開発を行い,可能であれば予測妥当性の検証を行っていく.
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Causes of Carryover |
(理由) 日本老年学的評価研究の会議(月1回実施)にあまり参加することができなかったため,使用額が変更となった. (使用計画) 本研究課題に関する成果発表のため,海外雑誌投稿料等で使用していく.
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