2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02206
|
Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
江口 賀子 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (10341554)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 高齢刑余者 / 高齢者施設 / 受け入れ支援 / 職員教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢受刑者・高齢刑余者への福祉的支援に関する研究の一環として、高齢者分野(施設・居宅・地域総合支援を含む)の矯正施設退所者に対する、社会福祉施設従事者側の受け入れに関する体制や専門性(スキル・体制・研修体系)等の課題への支援方法を明らかにすることを目的とする。令和2年度は、計画段階では施設への調査期間であったが、新型コロナウィルスの施設への影響から、計画変更を余儀なくされた。 そのため、以下3点を研究実績概要として述べる。 ①医療分野や司法分野の状況について文献等の収集及び分析を行い、医療領域・障害者領域での研修の内容や在り方について示唆を得た。②心理分野の研究者から、研修組み立ての心理領域についての示唆を得た。③高齢者分野の矯正施設退所者の受け入れに関して、内諾を得ている社会福祉施設に、調査の実施の調整を行った。 結果として、以下3点において受け入れ施設・職員への教育環境整備の必要性について示唆を得た。①高齢者領域において、多様性を持つ対象者を受容する技術・傾聴技術、障害特性(知的・精神)理解のための知識、矯正施設退所者理解の為の知識、犯罪の背景等の教育が受けられる環境の整備。②矯正施設退所者・受け入れ職員の心理状況等について、福祉専門職としてのストレス対処法について、基礎的な犯罪心理学等の教育が受けられる環境の整備。③刑余者受入れに関しては、施設管理者・施設長等の意向が大きく働くため、管理職と直接支援を行う職員双方への教育が受けられる環境の整備。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年は施設での具体的な事前聞き取り、研修、事後聞き取り等に入る予定であったが、新型コロナウィルスの高齢者施設への影響で、施設関係者と調整したが、実施できなかった。 令和2年度は、調査実施年としていたため大幅な遅れとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の研究推進について ①研究の趣旨に賛同し協力していただける、社会福祉施設・地域包括支援センター等へ趣旨説明を再度行い、調査の実施依頼する。(調査1~3カ所) ②研究の趣旨に賛同し協力していただける社会福祉施設・地域包括支援センター等へ、効果的であろうと推測される予定の研修を実施。その研修実証についての調査を行う。(研修3か所・情報収集3か所予定であるが、研修可能施設にお願いする) 研修方法については、当初対面を予定していたが、ZOOM等遠隔方法を利用する場合もある。 ③得られたデータの解析を完成させる。 ①~③については、施設の状況に応じ、調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
令和2年度、新型コロナウィルスの高齢者施設への影響で、施設への外部者の出入り禁止及び当面の間の研修等の中止となった。その為、令和2年度は計画遂行が行なえず、次年度使用が生じた。 令和3年度は、施設等との打ち合わせを行い、調査受け入れ時期の確認等を行い、遠隔等での調査方法に変更し、実施予定である。その費用として使用する。
|