2020 Fiscal Year Research-status Report
地方圏における児童養護施設で生活する子どもの複線的自立に関する地域間比較研究
Project/Area Number |
19K02213
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
谷口 由希子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80449470)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童養護施設 / 地域間比較研究 / 措置解除後 / 就職・進学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地方圏における児童養護施設(以下、施設)で生活する子どもの複線的自立の構造を明らかにすることにある。それと同時に、地域間比較研究を行い、地方圏における施設退所後の自立生活を支える政策的介入および支援プロラムを体系化することにある。 先行研究では、社会的養護にある子どもたちの進学について、都市部と地方の進学率に格差があることが明らかになっている。また、就職における課題として、就職を契機とした都市移動は少なく、地域間移動は高卒後の若者によって負担になる一方で、地方圏では就業先も相対的に少ないことが指摘されている(石井:2017)。とりわけ地方圏における雇用状況は、非正規雇用の増加で安定的な自立生活を形成することが難しい状況もある。若者に対する雇用対策として、地域若者サポートステーション等があるが、施設退所者は「帰る家がない」、家族に頼ることができない等の固有のニーズがあるため、住居・労働・生活支援を体系的に行う「複線的自立支援」が必要である。 そこで本研究では、【研究1】地方圏の施設で生活する中学生・高校生の主体的な進路選択過程に関する縦断調査を行い、職員や学校の進学や措置解除後の生活への動機づけと合わせて分析する。【研究2】地方自治体の単独事業に関する質問紙調査を実施し、それらの施策が子どもの自立にどのような影響を及ぼしているか分析する。【研究3】先駆的な施策・実践を行っている海外調査を行う。以上により、地方圏の施設で生活する子どもに対する複線的自立支援体系を明らかにする。 2020年度は、【継続研究】として、先行研究レビューを行った。【研究1】地方圏の施設で生活する中学生・高校生の縦断調査を実施するための予備調査を2019年に引き続き行ったが、本格実施については新型コロナウイルス感染症による移動の制限のため、行うことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大により移動が制限され、【研究1】および【研究2】の本格実施ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき進捗させていく予定であるが、調査計画を立て直す必要が出てきた場合は、適宜計画の修正を行い、研究を推進できる方法を検討する。
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Causes of Carryover |
実施予定であった調査を行うことができなかったため。昨年度の実施計画をもとに、今年度調査を実施する。
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