2020 Fiscal Year Research-status Report
障害児支援者の初期キャリアとコンピテンシーに着目した専門職養成プログラムの開発
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19K02216
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| Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
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Principal Investigator |
藤田 久美 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (40364129)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 幼児期の障害児支援 / コンピテンシー / 初期キャリア形成 / 専門職養成 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼児期の障害児支援に携わる支援者のキャリア形成において障害児支援者コンピテンシーを活用し、専門職養成プログラムの開発を行うことである。コンピテンシー獲得度と経験年数の関連を分析から、「知識」「技術」「実践と省察」の領域は有意な差があることが認められ、初期キャリア期にある3年未満の障害児支援者は、これらの獲得度が低いことから、計画的・継続的な教育や介入が必要であることを指摘した。職に就いてから3年間は、仕事に慣れなことや子どもや家族とのかかわり体験の中で不安や葛藤を抱えることがしばしばあることが推測される。したがって、初期キャリア支援者の抱える課題を明らかにすることや、どのような体験がコンピテンシー獲得に影響を与えるかを明らかにする必要性があると考えた。
したがって、児童発達支援センターに勤務する初期キャリアにある障害児支援者へのインタビューを通して、これらを明らかにすることとした。対象者は児童発達支援センターに勤務している児童指導員１名（勤務3年目）と保育士1名（勤務4年目）にインタビューを行い、職に就いてから3年間の経験を通して、どのように専門性を獲得したかということと、この過程でどのような課題を抱え、乗り越えてきたのかを明らかにした。支援者がイメージする専門性はKJ法（川喜田, 1967）の手法を援用し、コンピテンシー領域と分類し、概念図を作成した。専門性獲得における課題や乗り越えることができた体験などは、TEMによる分析を行った。結果から、初期キャリア期にある支援者の支援ニーズが明らかになるとともに、3年間の児童発達支援センターにおける「実践と省察」の蓄積が成長を導いていることがわかった。
研究成果をもとに、児童発達支援センターの職員になって1年目の新人研修プログラムの試案を作成とコンピテンシーを導入した研修プログラムを実施する準備ができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目に定期的に行っていた初期キャリアにある児童発達支援センターに勤務する支援者（児童指導員、保育士等）へのグループワークを活用したコンサルテーション型の研修が、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けたことで、実施できなかった。したがって、児童発達支援センターに勤務する初期キャリアにある支援者2名から、初期キャリア期に抱える葛藤や不安、それを乗り越えることができた体験、3年間の実践をもとに考える専門性等をを抱くのかについて、それぞれインタビューを実施した。この研究によって、初期キャリアにある支援者が求める研修の在り方を考察することができた。この研究をもとにした新人研修プログラムを開発し、試案は作成できたものの、研修を実施することができなかった。理由としては、対面形式で開催することが困難なため、ＺＯＯＭ等を用いた遠隔講義式の研修を検討したが、児童発達支援センターの職場環境として遠隔研修が実施できる設備が整っていなかったことが挙げられる。
研修プログラムの企画・実施・評価までいたらなかったので「やや遅れている」としたが、今年度、行った質的研究の成果は、障害児支援者の初期キャリア形成に必要な要素を明らかにできたと考えるので、今後の研究に生かしていきたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、初期キャリアにある障害児支援者の専門性の獲得過程で明らかになったことをもとに、以下にあげたい。
１つめに、昨年度に開発した新人研修プログラムを少人数の支援者に協力を得て、対面で実施・評価を行いたい。
2つめは、コンピテンシー領域である「実践と省察」の蓄積により、「子どもの理解」を深めることが専門性を高めることにつながるることをふまえ、「子ども理解」を専門的に学ぶ機会を提供し、「知識」「技術」の修得を目指す研修プログラムを開発・実施する。
具体的には、アセスメントの知識・技術を習得できる研修と自閉症スペクトラムの支援方法の知識・技術を習得する研修を行う。この研修が初期キャリア期にある支援者のコンピテンシーの獲得にどう貢献したか検討する。
３つめは、実践をふりかえる機会と時間を確保したグループワーク形式の研修プログラムを実施し、その効果を検討する。
本研究の成果が、児童発達支援の支援者が保有する資格を中核としたキャリアパスに即した専門性の向上と実践能力を培うための支援体制の整備につながることを目指しつつ、研究を推進していきたい。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの関係で予定していた学会、研究打ち合わせ、研究指導のための出張旅費が発生しなかったため。また、研修プログラムの実施が予定通りできなかったため。
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