2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02219
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
佐野 智子 城西国際大学, 福祉総合学部, 教授 (50348455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 恵子 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60369345)
勝谷 紀子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (90598658)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 加齢性難聴 / 健康教育プログラム / コミュニケーション / 補聴器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,地域住民の加齢性難聴への理解を深め,適切な対処を可能にするための「耳の健康教育プログラム」を開発することである。2019年度は自治体を対象として加齢性難聴に関する全国調査を実施した。また,難聴対策の進んでいるオーストラリアの現状調査を行い,その成果を2020年度に学会発表し,2021年度には論文を発表した。 COVID-19の感染拡大の影響により,対面での調査が困難であったため,「耳の健康教育プログラム」をオンラインで実施することの予備的検討を行った。研究の目的は,①「耳の健康教育プログラム」に含める内容の検討,②オンラインでの実施における操作上の課題と対策の検討であった。 難聴者のオンライン交流会「きこえカフェ」の参加者を対象に,フォーカス・グループ・ディスカッションを行った。参加者の発話は,筆記通訳され,テキストファイルとして保存された。テキストマイニングを行い,本調査において取り扱うテーマを検討する。また,参与観察を行い,操作上の課題の有無,話し合いのスムーズさを検討し,本調査がオンラインで実施可能か否かを検討する。結果は現在分析中であり,今後特殊教育学会等で結果を発表する予定である。 2019年の調査時には難聴高齢者の対策を行っている自治体は全体の2.1%のみであったが,COVID-19のパンデミックにより,マスクやアクリル板が難聴者のコミュニケーションを困難にさせることが一般にも知られるようになり,難聴対策に取り組み始めた自治体もある。このような社会的整備が進む中,地域住民の理解を深め,耳の健康を維持・向上させるところに,本研究の意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響が長期に渡ったこと及び対面での調査が困難であり,研究計画の変更が必要となったことが遅れの要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により,「耳の健康教育プログラム」に含めるべき内容は明らかになってきた。その内容を地域住民にわかりやすいようまとめた教材を作成し,2022年度には,オンラインで実施できる「耳の健康教育プログラム」を完成させる。当初は対面での実施を予定していたがオンラインに変更し,当該プログラムを実施する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた地域住民を対象とした対面調査がCOVID-19の感染拡大により実施できなかったため,会場費や要約筆記等の費用が発生しなかった。2022年度はオンライン調査に変更をし,当該助成金は本研究の目的である「耳の健康教育プログラム」開発のための調査研究費として使用する。
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