2019 Fiscal Year Research-status Report
オレゴン州における知的障害者支援のネットワーク・アプローチに関する研究
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19K02223
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
志村 健一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20265119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害者 / 地域生活 / ブローカレッジ・システム / オレゴン州 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象地域における中核的な研究拠点(ポートランド州立大学地域研究センター)より、メアリー・オシュワルド博士を招聘し、オレゴン州におけるブローカレッジ・システムに関するヒアリングを実施した。ヒアリングの結果、明らかになった事項の要点は以下の通りである。 まずは、2000年に州立の入所施設が閉鎖され、7000人の人がサポート・サービスを必要としていた。そして、この状態は裁判になり、結果として、地域生活を支えるブローカレッジ・システムが構築された。ブローカレッジ・システムは身体障害者のインディペンデント・リビング・センターと類似した考え方を持っている。現在、ブローカレッジ・システムは知的障害のある人たちにケースマネジメントと地域基盤のサービスを提供するプライベートな組織であり、オレゴン州全体で14組織が、8000人を支えている。また、2010年にOregon Support Services Association (OSSA)が設立され、14組織間の連携がとられている。 今年度のヒアリングの結果、本研究の目的を達成するための研究計画を次のように修正した。 14組織に対する質問紙調査を実施する。質問紙の内容は、クライエント数、ワーカー数といった組織の概要、サービス・ユーザーとのコミュニケーションの方法、予算、個別支援計画書の書式等である。そして、この調査から、各組織に所属するパーソナル・エージェントに対する調査を実施する。また、ブローカレッジ・システムの評価として、可能であればサービス・ユーザーの調査を実施する。 2019年度に予定されていた在外研究が中止になったため、現地から研究者を招聘してヒアリングを実施し、その結果から今後の計画を共同で立案できたことが今年度の研究実績である。またオレゴン州全体でサービスをカバーするためのICTの活用等についても調査が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度に予定されていた在外研究が中止になったため、今年度の研究計画を大幅に変更することになった。しかし、今年度の研究実績の欄に記載したように、現地から研究者を招聘してヒアリングを実施し、その結果から今後の計画を共同で立案できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.14組織に対する質問紙調査を実施し、基礎資料を収集すること。 2.14施設に対する調査結果に基づき、各組織に所属するパーソナル・エージェントに対する調査を実施すること。 3.ブローカレッジ・システムの評価としてサービス・ユーザーの調査を実施すること。 4.14組織がどのようにオレゴン州全体でサービスをカバーしているのか、ICTの活用等について調査を実施すること。
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Causes of Carryover |
在外研究が中止となったために、研究を計画通り進捗させられなかったため。 2020年度は調査を実施し、国際学会での研究報告を計画する。
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