2020 Fiscal Year Research-status Report
オレゴン州における知的障害者支援のネットワーク・アプローチに関する研究
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19K02223
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
志村 健一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20265119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害者 / 自粛生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症予防対策のために十分な研究活動を展開することが難しい一年であった。そのためインターネットを通じて情報を収集し、また国内での知的障害者支援に関する情報を収集した。 世界的に自粛生活が余儀なくされたコロナ禍での知的障害者の生活への影響は大きく2つに分けられることがわかってきた。すなわち、自粛生活に伴う生活の制限により、これまでのような活動が制約され、ストレスが溜まってしまうような影響は、一般にも理解されやすいものだろう。これに加えて、例えば発達障害のある人たちは、学校での学びがオンラインになり、外からの刺激を排除して自分のペースで学ぶことができるという安心感、さらにもともと人とかかわることが苦手な人たちにとっては、自粛生活は特に大きなストレスにならないということである。このような国内動向がオレゴン州ではどうだったか、またブローカレッジの活動にどのような影響があったのかを2021年度に検討してみたい。 また、自粛生活においては、テレワークの実施、子どもたちの学び、大学の授業等で、ICTの利活用が必須であることが明らかになり、大きな進展を見せたのが2020年度であった。このような動向は知的障害者にとっても影響があり、オンラインを通じての知的障害者の活動が顕著になってきた。そこではITリテラシーが重要であり、SNS等に関する諸問題を避けつつ、有効に利用し、社会参加をしていくための方法を整理しなければならない。このような状況についてもオレゴン州の実践を調査する必要が生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度に予定されていた海外研究の機会がなくなり、2020年度は新型コロナウィルス感染症予防対策のため研究活動が制限された。 制限された研究活動は、①現地に14カ所あるブローカレッジの機関を訪問し、ホームページなどでは確認できない基礎資料を収集すること、②ブローカレッジの代表から紹介を受けてヒアリングを実施するパーソナルアシスタント、クライエントとコンタクトを取ること、③ブローカレッジの活動、ならびにパーソナルアシスタントの支援状況の参与観察などである。そのため研究は当初予定より大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においても海外での研究活動ができないことが予測されており、ポートランド州立大学の研究者の協力を得て研究を実施することとした。具体的には、2019年、2020年に制限された事例の収集等を、現地研究者に委託し、当事者らの協力を得て、分析、統合、考察を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度の新型コロナウィルス感染症予防対策のために研究活動が制限され、予算を使用しての研究活動ができなかった。2021年度は海外の研究者の協力を得るため、その謝礼等で研究費を支出することになる。
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