2022 Fiscal Year Annual Research Report
オレゴン州における知的障害者支援のネットワーク・アプローチに関する研究
Project/Area Number |
19K02223
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
志村 健一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20265119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知的障害者 / ネットワーク・アプローチ / ブローカレッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
障害者総合支援法において障害福祉サービスの提供がなされているが、意思決定支援及び生活支援におけるネットワーク構築は急務である。「ソーシャルワークのグローバル定義の日本における展開」では、「必要な支援が切れ目なく利用できるシステムを構築する」ネットワーク・アプローチの重要性が示されている。本研究で取り上げたオレゴン州では、ブローカレッジと呼ばれるシステムによるネットワーク・アプローチが展開されている。そこで本研究では大型の入所施設を解体し、障害の状況にかかわわず地域生活を可能にした北米、オレゴン州の取り組みを調査し、日本への応用を探索した。 現在統合のプロセスが進んでいる事業所があるため数値が変化する可能性があるが、2023年冬の現状となるオレゴン州のブローカレッジは12であり、それぞれの事業所のホームページを一覧として提示した。またこれらのブローカレッジをオレゴン州全域の地図に配置し、事業所の面的なサービス提供地域を把握した。もちろん都市部においては事業所が集中していることは明確であるが、ブローカレッジが存在しない郡もあり、地方における実態を十分に調査することができなかったことは今後の課題となった。 さらに全世界的にCOVID19感染拡大予防のための自粛生活を経験したが、その状況におけるブローカレッジの活動について調査を実施した。この調査ではオレゴン州ポートランド州立大学のメアリー・オシュワルド博士に協力を依頼し調査となったが、ICTを活用したサービス利用者とのコミュニケーションにより、大きな問題を発生せずに生活を維持させていたことが明らかになった。 研究最終年度の2022年9月に日本は障害者権利条約の国連勧告を受けた。この勧告に応えるためもブローカレッジのような地域生活のネットワークアプローチの中核機関は必須であり、本研究の成果を広く公開していくためのホームページを作成した。
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