2019 Fiscal Year Research-status Report
出産前にダウン症候群確定診断を受けた後「妊娠継続」の選択をもたらす要因の検討
Project/Area Number |
19K02234
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
杉田 穏子 青山学院女子短期大学, 子ども学科, 教授 (50270012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 出生前診断 / ダウン症候群 / 妊娠継続 / しょうがい観 / 命の選別 |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな報道によると、出産前に、無侵襲的出生前遺伝学的検査診断(Non-Invasive Prenatal Genetic Testing、以下頭文字をとってNIPTとする)で陽性の判定を受け、さらに羊水検査でダウン症候群の確定診断を受けた胎児の親の9割以上が中絶を選択しているとされている。本研究では、ダウン症候群確定診断を受けた後、「妊娠継続」を選択し出産した少数派の人たちを対象としている。そのため対象者は非常に少ないうえ、非常にプライベートな事項を含んでいることもあり、筆者が当初予想していたよりも対象者に出会うことが非常に困難であった。しかし数名の医師の協力により6名の親(または夫婦)の対象者を紹介いただきインタビューを実施することができた。 今年度は、そのうちの1例については、日本社会福祉学会にて学会発表を行い、さらに論文化し紀要に掲載した。他の事例についても今年度、来年度にかけてまとめていく予定である。インタビューから対象者の人間観、しょうがい観から多くの学びを得た。 当初の計画では5年間で20~30の対象者をインタビューする予定であったが、対象者を見つけることが困難であることが予想される。そのため、新たなインタビュー対象者を探していくとともに、今年度実施したインタビュー対象者に、2、3年後に再度インタビューを実施する方向も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は対象者を探す予定であったが、インタビューまで実施することができたため。しかしまだまとめることができていない。また対象者を見つけるのが考えていたより困難で、今後の研究方法に工夫が必要な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者を見つけるのが困難であった。そこで、今後は、現在までに出会うことができた対象者6名へのインタビューを再度実施するか、対象者の枠を広げる(例えば、ダウン症候群であるとわかっていて養子縁組をした親、NIPTで陽性であったが羊水検査などの確定診断は受けずに妊娠を継続した親など)などを現在検討中である。
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Causes of Carryover |
今年度、37,487円の残額が生じたのは、熊本で開催予定であったの日本社会福祉学会が台風のため中止になり、その交通費、宿泊代が不要になったためである。ただし、業績としては発表を行ったものとみなされ、大会参加費は支払うこととなった。 新型コロナウィルスの影響で今年度の様々な学会もどのようになるのか不明であるが、実施される場合には、参加または発表を行っていきたい。
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Research Products
(2 results)