2021 Fiscal Year Research-status Report
出産前にダウン症候群確定診断を受けた後「妊娠継続」の選択をもたらす要因の検討
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19K02234
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
杉田 穏子 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (50270012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 出生前診断 / ダウン症候群 / 妊娠継続 / しょうがい観 / 命の選別 / 遺伝カウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
NIPTコンソーシアムの情報によると、無侵襲的出生前遺伝学的検査診断(Non-Invasive Prenatal Genetic Testing、以下頭文字をとってNIPTとす る)で陽性の判定を受け、さらに羊水検査でダウン症候群の確定診断を受けた胎児の親の87.5%が中絶を選択しているとされている。現在は認可外でNIPTを実施する医療機関が増加し、検査を受ける人の数は度増加していると見られるが、そのような医療機関では、結果をメールで妊婦に送信するため、陽性であった場合に妊婦やカップルが混乱してしまうという事態も生じ大きな問題になっている。 本研究では、ダウン症候群確定診断を受けた後「妊娠継続」を選択し出産した少数派の人たちを対象としている。そのため対象者は非常に少ないうえ、非常にプライベートな事項を含んで いることもあり、筆者が当初予想していたよりも対象者に出会うことが非常に困難であった。 今年度は関連学会に出席し、医療関係者と直接会って研究に関する説明を行い、対象者の紹介を依頼する予定であったが、関連学会は新型コロナウィルス感染症の関係で、全てが中止かオンラインに切り替わり、新たな医療関係者に直接会うことはできなかった。2年前に対象者の紹介をお願いしていた医療関係者より1例の対象者を紹介してもらい、インタビューを実施した。 また昨年度実施した6例より3例を論文化し、紀要に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の関係で、関連学会が全て中止かオンラインに切り替わり、対象者を紹介してもらうための新たな医療関係者と出会うことができなかっ た。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい研究対象者を見つけるのが困難であった。そこで、今後は、一昨年までに出会うことができた対象者6名へのインタビューを再度実施するか、対象者の枠を広げる(例えば、ダウン症候群であるとわかっていて養子縁組をした親、NIPTで陽性であったが羊水検査などの確定診断は受けずに妊娠を継続した親など)など を現在検討中である。
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Causes of Carryover |
今年度は、447,215円の残額が生じた。関連学会に出席し、医療関係者に直接お会いし、研究協力をするつもりであったが、新型コロナウィルス感染症の影響 で、学会が開催されなかったりオンラインの開催となり、直接お会いすることができなかった。またその後に予定していた各地へのインタビュー調査も実施もで きなくなり、旅費や謝金などが使用できなかった。 今年度は、新型コロナウィルス感染症の状況を見て、秋以降可能であれば医療関係者への研究協力の依頼を行うつもりである。
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Research Products
(1 results)