2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a scale on promotion and protection of human rights of persons with disabilities
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19K02235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井筒 節 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (00392449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 敦朗 金沢大学, 国際機構, 准教授 (20536726)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 障害者の権利 / 国連 / 人権 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、障害者の権利保護・促進をめぐる尺度作成に資する先行研究を検討した他、国連の機関間常設委員会の障害を包摂した人道アクションガイドライン作成チームに参加する等して、国連システムの最新の知見の収集を行った。更に、韓国で開催された北東アジア障害者会議にも参加し、アジア地域の当事者団体等との意見交換も行った。会議以外にも、国連機関やフィリピン、マレーシア、東日本大震災等で被災した地域の人々を含む日本の障害ステークホルダーから聞き取りを行い、好事例や教訓を収集した。この際、周辺化されやすい人々、特に、精神障害や発達障害のある人や、障害のある若者等からも聞き取りを行った。 この結果は、国連らと共に「Disability-inclusive Disaster Risk Reduction: An Urgent Global Imperative」として出版物にまとめ、世界に向けて発表した。更に、国連NY本部で開催された国連障害者権利条約締約国会議におけるパネル・ディスカッション2つにおいても成果を発信した。 更に、上記の結果に基づき、障害者権利条約に準拠し「人権に基づくウェルビーイング・チェックリスト(HRWC)」を作成、フィリピン・ムンティンルパ市で、現地障害局等の協力のもと、妥当性と信頼性の検討を開始した。本チェックリストについても、国連会議で発表した他、上の出版物に掲載された他、予備的な研究結果を学術雑誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各国からの好事例や教訓の収集と発表、国際機関の新しいツールに関する情報収集、尺度開発については、おおむね予定通りに順調に進展している。 フィリピン・ムンティンルパ市における妥当性と信頼性の検証については、コミュニティー調査を開始したものの、新型コロナウイルス感染症による渡航禁止措置等により、現在、進展が滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、学術的文献と国連の動向、国際社会における好事例・教訓を収集、検討する。 更に、旅の安全性が確認され次第、現地調査を再開する。これによって得られたデータをもとに解析を行い、有用性の検討と、障害者の人権に基づくウェルビーイングと様々な社会的・個人的要因との関連性等を検討する。その結果は、学術論文として発表する。 更に、国連機関等と共に、世界の障害をめぐる潮流を相互に学び合えるプラットフォームを作り、研究に活かしつつ、その結果を世界に還元するようにする。新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響を鑑み、オンラインプラットフォームを使用する等して、様々なステークホルダーの視点から学び、パートナーシップを促進すると共に、相互学習を促進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、研究を一部縮小せねばならなくなったため。
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Research Products
(9 results)