2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a scale on promotion and protection of human rights of persons with disabilities
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19K02235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井筒 節 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (00392449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 敦朗 金沢大学, 国際機構, 准教授 (20536726)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害者の権利 / 人権 / ウェルビーイング / 精神保健 / 国連 / 開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、障害者の権利保護・促進をめぐる論文・資料に基づき尺度開発を行い、コロナ禍で直接海外での調査・情報収集が叶わない中、国連システム、開発途上国のステークホルダー、内外の当事者団体等とオンラインイベントを開催する等して、最新の知見の収集と、フィリピンにおけるパイロットに基づく検討・発信を行ってきた。 中でも、国連事務局、UNITAR、UN Women等と協働し、6月の国連障害者権利条約締約国会議、12月の国連国際障害者デーの公式イベントとして、オンラインイベントを実施し、障害を取り巻く現状、政策、研究、好事例等を、国連職員、各国政府代表、障害者団体、若者等と共有した。中でも、6月のイベントでは、ブロードウェイの多様な背景をもつ俳優に出演してもらい、障害を切り口に、LGBTIや人種、文化・宗教、年齢等、幅広い多様性をめぐる新アプローチを、文化・芸術へのアクセスの観点から検討した。更に、障害とジェンダーの交差の観点から、Global Forum on Leadership of Women with Disabilitiesを共催し、障害のある女性リーダーに関するパネル・ディスカッションも開催した。また、12月のイベントでは、「包摂的でアクセシブルなコロナ後の世界」をめぐり、元エクアドル外務大臣、国連事務総長室、各国の当事者、若者が議論した。双方において、多文化のバックグラウンドがあるアーティストによるテーマソングを制作・発表し、文化・芸術の力による、多様性と包摂の推進を進めた。これらは、国連TVに収録され、世界中からアクセスできる。 また、海外渡航ができない中、フィリピン、バングラデシュ、バングラデシュ、オマーンの現場と定期的にオンライン会議を開き、コロナ禍の対応をめぐる技術協力をしつつ、情報共有や研究を進展することができた。 これらの成果は、論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、当初予定していた海外への渡航及び一部の国内出張ができなくなったが、オンラインツールを使用することで、国連機関との協働や、開発途上国の専門家・実務家・当事者とのやり取りが、より身近且つ頻繁にでき、結果的には新しい形で研究実施をすることができた。 また、パンデミックの状況下で、周辺化されやすい人々をめぐる新たな視座や取り組みが生まれており、これらについても、研究に反映することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、これまでの成果を論文化すると共に、開発途上国を中心とする現場と国連システムにフィードバックすることができたが、パンデミックにより、海外渡航は叶わなかった。 2022年度も引き続きコロナ禍で海外渡航は難しい可能性があるが、その可能性を探りつつ、できうる方法で開発途上国の現場に研究成果を還元するための取り組みを行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で海外渡航が不可能だったため、開発途上国ステークホルダーへの還元について、パンデミック状況が落ち着くことが期待される2022年度に、一部繰り越した。
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Research Products
(13 results)