2023 Fiscal Year Research-status Report
生活困窮者自立支援制度における就労訓練事業の実施プロセスに関する研究
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19K02240
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岩満 賢次 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (00454893)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活困窮 / 就労訓練事業者 / 労働統合型社会的企業 / 就労訓練事業者の体制整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生活困窮者自立支援制度が就労を通じた自立支援を目指していることから、就労訓練事業をどのような体制で実施するのが効果的であるのかを検討することにある。 2023年度には、韓国とイギリスの就労訓練事業者へのヒアリング調査を実施した。韓国では、国民基礎生活保障法に基づく就労訓練事業を行う地域自活センターへのヒアリング調査を実施した。具体的にはソウル市内の地域自活センターにおいて、ゲートウエイ後の就労訓練事業の形態、創業に向けた支援について、ヒアリング調査を実施した。韓国では、地域自活センターによるゲートウエイをはじめとした支援があり、日本の生活困窮者自立支援制度と比較した場合、長い期間をかけて、現金給付を行いながら、支援を行う仕組みとなっていることが明らかになっている。 イギリスについては、就労訓練を行なっている社会的企業4団体に対してヒアリング調査を実施した。4団体は、ケアリーバーを支援する団体、犯罪歴のある若者を支援する団体、ニートを支援する団体、貧困地域再生を行う団体であった。イギリスでは、地方自治体の緊縮財政、ヨーロッパ連合離脱に伴うヨーロッパからの資金援助の停止に伴い、活動の再編を求められている状況が見られており、その動向を今後追跡していく予定である。また、イギリスについては、研究者へのヒアリング調査も実施しており、合わせて検討を行なっている。 一方日本では、新型コロナウイルス感染症蔓延下における孤独孤立対策政策ならびに経済政策において、就労訓練事業がどのように変化していったのかについて分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響も減少し、韓国、イギリスの実地調査を行うことができ、研究が進んでいる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで日本国内の就労訓練事業を認定する地方自治体、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関へのアンケート調査、韓国、イギリスの就労訓練事業者へのヒアリング調査を行ってきた。これらの日英韓の調査をもとに、海外の研究者との意見交換を行い、就労訓練事業の実施プロセスを解明していく。
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Causes of Carryover |
研究期間中に新型コロナウイルス感染症が蔓延したため、海外調査が遅れているため、次年度使用額がある。2024年度には海外研究者との意見交換のための費用として使用する予定である。
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