2022 Fiscal Year Research-status Report
A Comparative Study on support policies and activities in the Defined Contribution Age - Focusing on situation in the U.S.
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19K02245
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 健三 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80368844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカ / 年金システム / 確定拠出型年金 / 401(k)プラン / 退職危機 / SECURE Act |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の核心的な問いは「確定拠出型年金を有効に機能させる政策や支援はどのようなものか?」であった。この問いに取り組むため、2021年度から、 確定拠出型年金が早くから普及しているアメリカにおいて、それが国民の退職後所得の手段として有効に機能しているかどうか、とりわけ近年のアメリカで指摘される「退職危機」と確定拠出型年金の普及とが、どのように関係しているのか、という課題に取り組んできた。 その結果、両者の関係は必ずしも統計的に明らかではなく、「退職危機」が退職後所得保障システムの伝統的な不備の再発見という側面があること、また個人勘定型制度による諸問題は統計数字上は観測の困難なものであることが示された。2022年の5月には社会政策学会全国大会において、このテーマに関して報告を行い、その議論を踏まえて6月には専門誌に投稿を行なった。2023年4月現在、なお査読者とやり取りの途中であり、2023年度中には成果として出版できると考えられる。 また、2022年度は、前年度の社会政策学会全国大会報告を踏まえ、2019年SEQURE法を中心とするアメリカの企業年金政策の検討を行なった。具体的な政策展開やそれをめぐる議論は、上記の革新的な問いにより迫るものである。この問題について、より歴史的なアプローチを図ることが本研究の中心的な課題となる。具体的には1974年に成立したエリサ法による規制体系が401(k)プランの普及とともにどのような変化を遂げたのかに次いて考察されなければならない。これらの課題に関する成果は、まだ論文として形にできておらず、2023年度以降の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、当初予定していた海外での調査は多く先送りにされたが、2023年3月にはワシントン、ニューヨークへ訪問し、現地の関連機関や団体、研究者の話を伺うことができた。アメリカでは他国に先駆けてさまざまな試みが議論され、検討されている。コロナ禍により、国際横断的な研究は難しいものの、当初から研究目標としていたアメリカに焦点を絞ることができたのは怪我の功名というべきであり、より実りのある成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナのパンデミックに対する渡航制限がワクチンの普及とともに国際的にも緩和され、ようやく海外調査ができる環境となった。昨年度の渡航に引き続き、本年度も渡航しての現地調査を実施したいと考えている。また、オンラインでの資料収集、またコンタクト、文献検討や資料の整理、精査も継続していく。また、本年度は本来の研究期間から1年延長されている。成果を論文などの形にすることにより注力してきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究期間中、コロナ蔓延による海外渡航調査が実施できなかったため。2023年3月にようやく初めて渡航調査が実施できたが、なお当初予定していた計画のごく一部である。全体の期間にわたり生じた次年度使用金は、延長した年度において、当初に予定していた渡航調査その他の資料収集に使用する予定である。
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