2019 Fiscal Year Research-status Report
Social Resource Development in Social Work for Regional Regeneration
Project/Area Number |
19K02252
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西川 ハンナ 創価大学, 文学部, 准教授 (50442059)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 恭子 文教大学, 人間科学部, 教授 (10331547)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ソーシャルワーク / 社会資源開発 / 地域再生 / インディジナイゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、計画通りソーシャルワークにおける地域資源の開発に向けた学際的な文献研究と、国内対象地域(八王子市・越谷市・諏訪市)へのアクション・リサーチを行った。 越谷市では、越谷市商工会議所関係者と長野県諏訪地域への視察、移住促進地域の商店会・古民家利活用店舗の紹介を行った。また、300年以上継承される「越ケ谷秋祭り」での住民インタビューを実施した。そこで地域住民、新住人の関係・ジレンマについて抽出することができた。その成果は「地域再生に向けたまちづくり報告会」として地域住民にも広く公開をした。 諏訪市では、産業連携補助事業で開発された製品の披露を兼ね座談会とワークショップと、都内の大学生を対象にスタディツアーを実施した。博物館、製糸工場、ゲストハウス、商店会をフィールドに、歴史・文化・ライフスタイル・SDGsといったものをテーマに「働き方・生き方」について最終日に報告会を駅前交流テラスにて開催、異業種交流を深めた。 八王子市では、学生の地域介入(2019年度八王子コンソーシアム学生企画事業助成採択)の過程を観察し記録した。定期的な語り場等の活動から、他大学の学生、福祉作業所、不登校児の塾などの関係者を街中のイベントへ繋げ、地域と団体、団体同士のネットワーク化の過程を観察した。また、公的機関との連携により福祉施設の人手不足と学生のアルバイトニーズをマッチングさせる仕組みを考案し、若者と社会を福祉雇用が繋ぐというプロセスに注目した。 文献研究からは地域資源の開発では、ソーシャルワークの技法の周縁とされた「交渉」「ファシリテーション」「合意形成」などの技法が重要になり地域介入をすればするほど文化や伝統といった地域固有の歴史的な潜在的な関係性への理解が必要となり、新たなキーワードとして「indenazation」が国際的潮流と同様にローカルな中でも重要性を帯びてきた
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年実施した国内活動は、引き続き二地区(八王子市、諏訪市)において継続を図る。 八王子市においては八王子駅北口商店会との連携を強化し、高齢化する商店会と若者の交流から相互作用についてその効果を多面的に考察する。 諏訪市においては、昨年のスタディツアーの参加者学生が諏訪市へ移住し就職し福祉活動を開始した展開にも注目していく。スタディツアーのネットワークを活用し、地域住民の支え合い活動への参加、若者の参画によりコモンスペースでの事業が拡大していく様子を介入しながら他事例と比較検討を行う。また昨年、産業連携事業で開発された製品の商品化に伴い、福祉作業所のマーケティング、プロモーションの様子、新たな連携の展開過程から新しい連携と社会資源開発の展開モデルを検討する。 以上の地域介入を、引き続きその具体的影響、関係性、事業の広域化等の変化に注目していく。 また、海外調査はコロナ禍において渡航が危ぶまれるが、引き続きオーストラリアの移民支援団体、地域開発教育に携わる関係者と情報交換し現地調査を予定する。
|
Strategy for Future Research Activity |
二年目の研究計画は、計画通り国内においては異業種連携とその展開過程を初年度の介入により生じた団体間の展開と進展そして、そこで派生する課題を明らかにする。 フィールドワークと同時に我が国におけるインディジナイゼーションについても文献調査をおこなう。 また、新コロナウィルスの影響を鑑み、海外調査だけではなく移民難民問題をテーマとする国内の研究者との情報交換も行っていく。 同時に初年度の成果についての論文化をおこなっていく。
|
Causes of Carryover |
初年度のフィールドワークの影響を追跡調査するために次年度に使用する。
|
Research Products
(8 results)