2022 Fiscal Year Annual Research Report
Social Resource Development in Social Work for Regional Regeneration
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19K02252
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西川 ハンナ 創価大学, 文学部, 准教授 (50442059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 恭子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (10331547)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域再生 / ソーシャルワーク / シビック・プライド / 社会資源開発 / コンフリクト・レゾリューション / 社会科学、人文学の知 / 地域民族の固有な地 / 地域・民族固有の知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国の地域再生に必要な新たな公共私を包括するソーシャルワークにおける社会資源開発の手法に焦点をあて、地域課題に介入する際に必要な理論・実践枠組みの構築を目的とした。国内 3 市(諏訪市・八王子市・越谷市)への介入は諏訪市の実践では余所者の介入には「意識変容と価値の発見」「役割の創出と潜在能力の発揮」「社会資源と関係の組み換え」といった新たな要素があり、これらは今後ソーシャルワーカーが果たしていく機能と役割といえる。八王子市の商学連携の実践ではソーシャルワークのグローバル定義で述べられている社会科学、人文学を持って地域の文化・歴史を見つめなおし、そこにあるシビックプライドに働きかける重要性が確認された。越谷市の伝統的な祭礼への参加では新旧住民の意識の中にコンフリクトが生じており、地域における新・旧居住者、老・若といったコミュニティ内の対になるような関係性においてコンフリクトの解決が問題となっていることが分かった。コロナ禍海外視察を国内に変更した北陸三県のフィールド調査は、富山県では分身ロボットによる外出困難者の地域参加を、福井県では越前国際交流協会の外国人コミュニティへの支援と連携等について、多文化ソーシャルワークの研究とその実践についてインタビューを通して整理し、石川県では対象を限定しないサービスの見学と提供者からのヒアリングを行った。これらは社会福祉の課題を福祉の枠組みの外から解決を図ろうしする試みであったIOTや観光、アート・ビジネスといった既存の福祉の支援枠組みを外すやり方もあった。福祉サービスとして支援しないアプローチは海外青年協力隊の社会開発の手法をヒントに展開していったということなので、これらからもソーシャルワークの社会開発に援用すべき点である。最終年度は国内視察の成果と、本研究成果である論文および学会・講演会等の発表を整理し報告書の作成を行った。
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