2020 Fiscal Year Research-status Report
家族介護者ケアマネジメントツールの開発と包括的家族介護者支援システムの構築
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19K02253
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
相山 馨 富山国際大学, 子ども育成学部, 准教授 (10582629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 佐織 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (80198209)
田村 須賀子 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (50262514)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 家族介護者支援 / ケアマネジメント / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度に引き続き、「包括的家族介護者ケアマネジメントツール」の作成に向けて、複合的な課題をもつ家族介護者へのヒアリング、およびその家族介護者が介護する患者の入退院に関わっている担当者、地域での患者本人を支援している居宅介護支援事業所等の担当者、家族介護者の支援を担当している地域包括支援センター等の担当者へのヒアリングを実施した。家族介護者へのヒアリングにおいては、介護している患者が入院している時、在宅への退院が決まった時、在宅介護が始まった時、在宅介護を継続している時のそれぞれの局面における困りごとや不安、専門職に求めている支援を具体的に把握し、複合的な課題を抱える家族介護者のニーズを分析した。また、専門職へのヒアリングにおいてはその事例に対してそれぞれの担当者が実践した家族介護者への支援や効果的だった家族介護者へのケア、有効な社会資源の活用方法について把握し、内容を分析した。 ツール開発にあたっては、本研究のもう一つの目的である包括的家族介護者支援システムの構築を視野に入れる必要があることから、病院内の支援者間、地域で本人や家族を支える支援者間における情報共有の方法や連携の流れ、入院時や入院中、退院時におけるカンファレンス等の役割・機能について、そして家族介護者からみた支援者間の連携の効果や課題についての情報収集を行った。また、調査結果を踏まえ、包括的家族介護者ケアマネジメントを展開するためのツールの構成・項目、このケアマネジメントを実践するシステムについて検討し、原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病院を入退院している患者の家族や支援者に対するヒアリングが社会情勢の影響により実施困難となった。特に病院における調査のタイミングが難しく、予定していた調査が一部遅れていることが「やや遅れ」とした理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は家族介護者にとって有効なケアマネジメントが展開できる効果的なツールや支援システムについて引き続き検討を進める。「包括的家族介護者ケアマネジメントツール」の実践試行を行い、構成や項目について精査し「包括的家族介護者ケアマネジメントツール活用マニュアル」を作成する。また、ケアマネジメントプロセスのインテーク、アセスメント、プランニング、ケアの実施、モニタリング等の各局面において実践活用し、多職種・多機関・地域組織等との連携・協働による包括的家族介護者支援システムについて検討する。
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Causes of Carryover |
年度内に予定していた実践試行が社会情勢の影響によって実施困難となり次年度に延期になったため、それにかかる経費が次年度使用となった。調査が可能となり次第、実施する予定である。また、2021年度は、①作成したツールの実践試行・精査、②ツールの実践活用による活用システムの検討を行うため、当初の予定通りにかかる経費の支出が見込まれる。
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