2019 Fiscal Year Research-status Report
デンマークにおける介護現場の実践スキルと専門職養成の有機的連動性に関する研究
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19K02282
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
汲田 千賀子 同朋大学, 社会福祉学部, 講師(移行) (80387844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ケア実践 / 専門職養成 / デンマーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、実践スキルの具現化と基礎教育の間にどのような有機的連動がなされているのかという点に着目している。介護現場におけるサービス提供の質を担保するためには、基礎教育と実践スキルの具現化の双方向有機的連動が欠かせないのではないかという新たな視点に立ち、 基礎教育におけるプログラムとサービス提供場面である介護実践とを有機的に連動させる方法の示唆を得るために、研究をした結果次のことが明らかとなった。 デンマークの職業教育は106種類あり、そのうちの一つとして介護士教育がある。介護士教育は、教育機関と実習教育先との連携以前に自治体に雇用されるという段階を経て、実習に行くため、その時の自治体のケアへの考え方が実習生に反映することになる。この点が、ケア専門職は公務労働者、ケアの教育機関、高齢者ケアサービスは公的機関によって運営されている特徴だと言える。自治体で雇用されながら実習生としてケア現場で臨床経験を積んでいく学生たちは、学校教育のなかでも実践的な思考を養う教育を受ける。その一つの方法がドラマ手法を用いた教育である。ケース研究だけでなく、各学生の実習経験から対象像とそのケア場面に関する脚本を書き、演じ、スマートフォンに収録、編集してクラス内で共有する。このことによって体験的理解を客観化し、理論と結びつけていくことにつながっていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、2月下旬よりデンマークでの調査研究を予定していたが、昨今のコロナウイルス感染症予防対策により、渡航はできたもののアポイントを取っていた機関からの視察のお断りなどが数件あり、すべてができたとは言えない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、2019年度の現地調査で得たことや入手した資料などを翻訳しまとめる。2020年度に行うこと予定になっていた当初の予定よりも、2019年度に予定した調査研究がコロナ禍においてはハードルが高くなっており、今後の状況によってどのようにできるかの検討し、場合によっては変更もあり得る。 今のところ以下について現地調査を計画している。 デンマークのプライセンターにおける介護職の職務内容とスキルに関する調査 「生活を支援する」という意味では、そこで働くす べての専門職がその一員であるため、 介護を専門にしている社会保健介護士(SSA)や社会保健介助士(SSH)以外にどのような 職種が存在し ているのかについて、数カ所のプライセンターで訪問調査(ヒアリング)を行う。また、ケア実践に伴うスキルを明らかにするために、プライ センターの職員に対する時 形式タイムスタディ法を用いて実施する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた現地調査が、数件キャンセルになったことにより謝金などが未執行になったためである。翌年度分として請求し、2020年度の現地での調査研究の謝金として使用する計画である。
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Research Products
(3 results)