2023 Fiscal Year Annual Research Report
デンマークにおける介護現場の実践スキルと専門職養成の有機的連動性に関する研究
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19K02282
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
汲田 千賀子 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授(移行) (80387844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デンマーク / 介護職 / 専門職 / 認知症ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、有機的連動を可能にするために、介護職員全体を護り、職能団体としての機能を発揮しているのかについてヒアリング調査を実施した。デンマークの介護職養成には確保という問題もついてまわる。介護職不足が懸念されているため、専門職を確保しつつ、そのスキルを担保する必要がある。 まず、介護職を守るために労働条件を整備してきたが、制度設計自体にも団体としての意見をしたり、どのような介護職が必要とされているのかについても国に進言していく役割を担っており、現場の養成と専門職養成が連動している。 認知症高齢者の専門のデイホームでは、職員が担当しているグループ(ユニット)でどのような活動をしていくのか、その裁量は各グループのリーダーが持っている。そのため、グループにいる高齢者の認知症の程度や活動量によって何をするのかを決めている。専門的な教育を受けた職員がその専門性を十分に発揮しながら実践を展開することが可能な現場づくりをおこなっているのである。 高齢者ケアのなかにおいて、認知症ケア実践については、その重要度も高い。デンマークでは、「認知症スキル2016-2020」において、次の3点を掲げている。①認知症の人にサービスを提供する組織単位のすべての自治体の中間管理職は、ジェネラリストレベルの認知症分野の知識を持つ必要がある。②認知症の対応に特化した自治体の中間管理職は、専門家レベルのスキルを有していることが必要である。③認知症に特化した中間管理職は、知識の共有と意見交換のために、自治体や地域ネットワークに参加すべきである。 このように、マネジャーが持つべき能力に関しても明確にされている。また、学生教育にあたる現場職員もその指導に関する資格を持つことが定めらているため、それぞれのレベルにおいて、有機的連動がなされていることがわかった。
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Research Products
(1 results)