2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K02293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂口 明男 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40205729)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防護服 / 絡み織 / 高性能繊維 / 通気性 / 耐突き刺し性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度(2023年度)においてはこれまでに試作した絡み織物サンプルに関する突き刺し試験及び基礎的な試験の実験データの分析を通じて今回の着想に関する総合的な考察を進めた。 前年度までの実験と分析で、ある程度の頻度で望ましい性能を示すことがあるが、防護素材という性格上、確実性が担保されなければならない。今回の研究では最終的な検証には至らなかったものの、高強度繊維絡み織物の織密度を、より高密度にしていくことで当初の目的の達成に近づくことが分かってきた。 研究期間全体を通じては、研究を開始した初年度(2019年度)はおおむね順調に研究を進展させることができた。一方で、2年目(2020年度)以降は新型コロナウイルス感染症流行拡大のため、当初の予定を大幅に変更せざるを得なくなり、実験の内容のみならず、研究の実施体制、例えば、外部の手織物の専門家とのコラボレーションが不可能になったことに伴う、体制の大幅な見直しなど、大きな影響を受けることになった。 一方で、織密度が粗いために模型的ではあるが、実際の高強度繊維でのサンプルを用いた検討を多少とも実施することができ、高強度繊維絡み織物のもつ一般的なメリットや可能性を示すことはできたと考える。 本研究で提案した、高強度繊維絡み織物は防護素材としての性能の証明としては、正直なところ十分ではないが、そこまでシビアでない分野への応用を展望できたと考える。
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