2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K02305
|
Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
菅野 友美 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (10298482)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 義明 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (20369581)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | キノコ / 機能性成分 / ヌクレオシド |
Outline of Annual Research Achievements |
キノコの機能性を科学的な面から解明するため、今年度はキノコの中でもこれまでの研究で機能性が報告されているGrifola gargal(和名アンニンコウ)中の芳香族化合物を単離し、新たな機能性を探索した。また、単離物質の含量を測定するとともに、他のきのこ類と比較検討し、その特徴を調べた。その結果、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によりGrifola gargal水抽出物に特徴的なピークが検出された。これを精製・単離し、高分解能質量分析を行うとともにNMRなどを用いて構造決定したところ、血小板凝集阻害効果のあるアデノシンと同定された。このことからGrifola gargalが機能性食品素材としての有効利用に期待できると思われた。一方17種のキノコ粉末水抽出からアデノシン含量を測定した結果、Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)が最も高い含量を示した。アデノシン以外のヌクレオシドについても同定するため、HPLC分析で標準物質との溶出時間の一致からシチジン(RT2.8)、ウリジン(RT3.7)、グアノシン(RT6.3)、チミジン(RT10.4)と同定した。定量した結果、Grifola gargalにはアデノシンが最も多く、ウリジン>グアノシン>シチジン>チミジンの順に高い含量を示した。また17種のキノコ類についても定量し、それぞれの含量はキノコの種類、部位などで異なることが明らかとなった。さらに17種のキノコのヌクレオシド含量を主成分分析により、キノコ類は各ヌクレオシド含量を反映すると示唆された。またGrifola gargalは主成分得点の散布図において、他のキノコの中心に位置していた。この結果をまとめた投稿論文は日本きのこ学会に掲載されたが、公開は2023年1月である。
|