2020 Fiscal Year Research-status Report
テクスチャー用語を手がかりとする「かたさ・やわらかさ」の要素分類と食嗜好の解析
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19K02310
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
早川 文代 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, グループ長補佐 (00282905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テクスチャー / 食品 / 官能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
「かたさ・やわらかさ」は、多くの食品において、テクスチャー評価の主要な観点であるが、多義的、複合的で、多くの類義語がある。そこで本課題では、「かたさ」「やわらかさ」に関連する数多くの類義語を整理することで、「かたさ・やわらかさ」の要素を整理し、食品評価の高度化に資する用語体系を構築する。 今年度は、前年度に収集した「かたさ・やわらかさ」関連用語184語を対象として、意味の親近性から用語分類を試みた。184語について、同じ音の基を持つ擬音語・擬態語(例「かちかち」「かちんかちん」等)をまとめて101語群とし、各用語群を一対で比較し、食品の技術者・研究者が意味の類似性を評価したデータに多次元尺度法を適用して、用語の空間座標を求めた。空間座標の計算には、モデルの適合度と解釈しやすさから、5次元解を採用した。得られた5次元の空間座標にクラスター分析を適用して、用語の分類を行った。 その結果、184語から、大分類として3クラスター(①主にかたさに関連する用語、②やわらかさにもかたさにも関連する用語、③主にやわらかさに関連する用語)が得られた。各クラスターは、さらに階層的に分類され、小分類として合計22クラスターが得られた。22クラスターは、それぞれ、「中心部のかたさ」「表面のかたさ」「弾力のあるかたさ」「軽快な破砕」「空気を含むやわらかさ」「流れやすい感じのやわらかさ」等を表現する用語の集合であると解釈できた。以上より、この階層分類を骨格として用語体系を作成することができた。また、用語クラスターの解釈によって、「かたさ・やわらかさ」に関連する要素が整理できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
183語について、当初、インタビューによる検証を行う予定であったが、新型コロナウイルスによる感染拡大防止の観点から、対面でのインタビューを中止し、メール等での意見収集とした。その結果、183語からのさらなる絞り込みは行わないこととしたが、進捗に影響はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、最終年度に実施するかたさ・やわらかさ関連用語についての消費者調査の設計を行う。そのために、予備的な調査およびインタビュー等を実施する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、特に研究計画の変更は必要ないと考える。次年度、消耗品費として使用する。
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Research Products
(4 results)